えっ?!50歳から映画代が安くなるの?高齢者割引の是非


一般    2000
大学生   1500
高校生   1000
小中・幼児 1000
シニア60    1300
ペア50割引   1500

これ、何だかお分かりになるだろうか?

新宿のとある映画館のチケット代である。

一般は2,000円で、大学生が1,500円、学生(小中高)と幼児は1,000円、シニア60歳以上は1,300円。

注目すべきは最後。

ペア50割引1,500円

ベア50とは、2人のうち「どちらかが」50歳以上であれば適用される割引制度。

私も今年の後半には50歳になるので、晴れてこの制度が使えることになり、たったこれだけのことだが、

「歳を取るのも悪くないな」

などと感じている。

と言うのも、大学時代の友人で自分で会社をやっている奴がおり、そいつと月に1度程度の頻度で共に映画を見に行くからだ。

昼間に待ち合わせをし、ラーメンを食べ、映画を見て、喫茶店に行ってお互いの愚痴を言いあうだけの何とも呑気な「会」だが、月に1度のストレス発散として、お互いにとって貴重な時間にもなっている。

そして先に述べた通り、今年、私が50歳を超えれば映画はいつでも1,500円で見れることになり、更に言えば10年後、60歳になった時には1300円になるのだから、何ともありがたい話だ。

だが、こうも思う。

「俺たちからは取れよ・・・・」

と。

彼も私も特段に金持ちというわけではないが、ありがたいことに日々のお金に困っているわけでもない。

映画を見る。

2000円(一般)を払う。

特に何とも思わない。

だがそこで「1,500円でOK!!」と言われれば、当然そちらを選ぶ。

しかし、考えてみて欲しい。

例えば20代の社会人カップルがデートで映画を見に来れば、2,000円×2人=4,000円かかるのに、我々おっさん2人は1,500円×2人=3,000円で済むわけだ。

どう考えておかしい。

我々よりお金を持っている20代カップルもいるだろうが、99%は私たち2人より貧しいはずだ。

それなのに私たちの方が1000円も安いというのは、ある意味では「理不尽」ですらある。

 

そもそも世の中には「シニア向けの割引」という制度が結構多い。

そんな中でも超ド級の割引、それが・・・

医療費

だろう。

現役世代は3割負担だが、70歳を超えると2割、75歳以上は1割だ。

最近では所得の高い方(いわゆる「現役並み所得者」)では3割負担もある得るが、あくまでも毎年の収入が判断基準になっており、保有資産は関係ない。

つまりウン億円も持っているようなお金持ちでも、毎年の収入が「年金だけ」だけであれば1割負担ということ。

現役世代が3割負担している医療サービスを1割で受けられるのだから66.7%の「大割引」だ。

しかも、その穴埋めは現役世代が支払う保険料と税金で補填されているのだからたまらない。

やっぱり、おかしいと思う。

先に挙げた50ペア割引を引用し、少々例え話をしたい。

現実としては、私がこの制度を使っても映画館の売上が下がるだけであり、若い世代が損をすることはない。

だから遠慮なく使わせてもらう。

しかし、仮にこの割引を使うことで、一般のチケット代が2,000円から2,100円になるとか、子供料金が1,000円から1,100円になるとか。

そんな形で若者に迷惑がかかるのであれば、私は迷わずに正規の2,000円を払う。

自分が得をするために、下の世代に「たかる」

そんな恰好の悪いことはしたくないからだ。

 

恐らく私と同じ考えの高齢者も多いはずだ。

だが、医療費となると誰彼もが遠慮なく「割引」の恩恵を受けている。

一つは仕組みを知らないために「たかっている」意識がないのだろう。

診療明細書に

「あなたの治療費の〇〇〇〇円:〇%は現役世代が負担しています」

そう書いて欲しいくらいだ。

また、もう一つは「貴方は〇割負担です」と一方的に言われるだけなので、変更のしようがないのだ。

そのため、莫大な資産を持っている人でも「1割です」と言われればそれに従うしかない。

しかし、先の映画のように「私は正規料金(3割)で良いよ」という人も意外といるような気もするのだが・・・

高齢者を優遇する「割引制度」は、長く生きてきた年長者への敬意の現れでもある。

で、近いうちにその対象となる我々は、果たして敬意に値する老人になれるのだろうか?

今年から割引対象となる老人「予備軍」の私は、ふとそんなことを考えてしまった。

本日のコラムでした。

 

 

 

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1月 26th, 2025 by