もし私がフジテレビに勤めていたら辞めるか?残るか?


今から12年前。

知り合いの女の子がフジテレビの社員と結婚し、そのお祝いをしたことがある。

当時の雰囲気としては

「勝ち組旦那を捕まえた」

という感じだったが、あの子の旦那さんは今、どういう気持ちなんだろうか?・・・

フジテレビ。

ここで説明するまでもなく、超逆風が吹いている。

スポンサーから見放され、流れるのはACの広告ばかり。

実質的に売り上げゼロの中、淡々と番組は流れているが、現時点で放送されているものはまだ騒動が始まる前に撮られたものが多いのだろう。

これからは無収入のまま制作を続けていかなくてはならず、精神的にも財務的にも相当キツいはずだ。

なお、今回の件で初めてフジ・メディア・ホールディングス(以下、フジHD)の財務諸表を調べてみたが、決算ハイライトを読む限り、グループ内でのフジテレビの存在感は思っていたより小さい。

事件前、2024年3月期の決算では、フジHD全体の売上は5,664億円、営業利益は335億円。

フジテレビ単体の売上は2,382億円とグループ売上の42%を占めてはいるものの、営業利益は54億円とグループ全体の利益の16%でしかない。

HDの「優等生」とされるBSフジは売上162億円に対して営業利益31億円(営業利益率19.5%)を稼いでいるのと比較すると、フジテレビは

「図体と態度はデカいが、稼ぎは大したことはない」

という印象を受ける。

それが今回の騒動で広告収入がゼロになるわけだから、フジメディアホールディングスからすればとんだ「お荷物」になってしまうだろう。

そのため経費削減、人件費カットは避けて通れない。

制作費を削る、下請けを絞る、等々をやるのだろうが、実際に人と物が動く現場なので、なかなか大きく削減することは出来ないようにも思う。(既にかなりやっているだろうし)

そうなると人件費。つまり社員の給与だ。

2024年の有価証券報告書によると、フジHDの平均年収は1600万円。

フジテレビ単体の社員数は約1200名なので、給与だけでも年間192億円になる。

この部分を一律25%減すればその総額は48億円と、一年間の営業利益に匹敵するコストカットができる。

流石に若手の給与は減らせないだろうが、40代、50代あたりはかなりやられそうだ。

対スポンサー、対株主、対世間への「禊(みそぎ)」という意味でも、この部分に手を付けざるを得ないのではないか?

と、こんな状態で、本日のテーマ

「もし自分がフジテレビの社員だったら、辞めるか?残るか?」

ということだが、うーん、かなり悩ましい。

給与を減らされ、世の中から後ろ指を指され、気持ちとしては「辞めてやる!!」と言いたいところだが、それでも「フジテレビ社員」というブランドは手放し難い・・・・

ちなみに過去に何度かテレビ局の方にお会いしたことがあるが、私の印象としては極めて普通の方々だった。

よく巷で言われているような「鼻にかける」ような人はおらず、皆さん頭が良くて、オシャレで、まさにエスタブリッシュメントという感じ。

まったく悪い印象はないのだが、その根底には「テレビ局勤務」という強烈なプライドがあることは確実だし、こちらもその肩書を背景とした色眼鏡(2,3段階のグレードアップ)で見ている部分がある。

やはりテレビ衰退などと言われていても、テレビ局勤務は今だに超一級のブランドなのだ。

経験上、プライドは金に勝る。

相当に優秀な人なら「もういいや」と辞めてしまうかもしれないが、大半の社員は給与を減らされたくらいでは辞めないのではないか?

また、今回のことで上がごそっと抜ける。

フジの天皇、ラスボス、などと言われている日枝氏もさすがに持ちこたえられないだろう。

氏を頂点とした現在の上層部は一掃される。

これも現役社員からすればワクワクする。

面倒な上役がいなくなるのは、晴れた夏の日のオープンカー級に気持ちが良いからだ。

残ったのはまあまあ優秀な50代、40代、そして若手。

フジ局員のステータスは捨てられない。

そしてジッと耐えていれば老害層は消え、手元には「先輩」が作ってくれた豊富なコンテンツが残る。

結構面白そうじゃない?

そんな気もするので

俺なら残る

それが結論だ。

就職時(1998年)、有効求人倍率1.0以下というマンモスも凍死するくらいの超氷河期で、テレビ局などには一切縁のなかった私はそんな妄想をしながらフジの関連ニュースを見ている。

「楽しくなければテレビじゃない」

まさに死に際にそれを体現しているフジテレビに大きな拍手を送りたい。

本日のコラムでした。

 

 

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2月 8th, 2025 by