爆増する外国人労働者 変わるべき自分


とある休日。

子供たちとファミレスに入った。

お休みということもあり店内は大混雑。

レジ前に並べられた椅子には5,6組のお客さんが待たされていた。

仕方がないのでウエィテングリストに名前を書いてその列に並んでいたのだが、何やら様子がおかしい。

若い女性の店員さんがリスト順にお客さんを案内しているのだが、順番が前後したり、名前を間違えたり。

東南アジア系の方のようで、まだ日本語が不得意なようだった。

リストの名前はカタカナで書いていたのだが、彼女はまだカタカナを完全には読めないようで、自分が読める名前からアナウンスしている。

そのため順番が入れ替わり、飛ばされたお客さんが「私〇〇(名前)です。私の方が先です!!」と抗議すると必死に謝ってその方を先に通す。

まさに大混乱。

結局、異変を感じ取った先輩の店員さんが来てその場は収まった。

移民。

長らく課題として挙がっていたものの、しっかりとした議論を経ることなく、移民政策はなし崩し的に進行している。

と言うより少子高齢化により労働人口が減少している中「受け入れるしかない」という状況なのだろう。

その曖昧なプロセスはいかにも日本らしいが、体感的にも外国人の労働者は増えており、都心の飲食、コンビニなどではむしろスタッフが外国人であることの方が「普通」だ。

法務省管轄の出入国在留管理庁のデータを見ても、2015年に238万人だった在留外国人は2024年末時点で376万人と10年で約1.5倍となっている。

特にここ2,3年は毎年30万人の規模で増えており、単純にこのペースが続けば2035年には700万人近くになる計算で、これは愛知県(754万人)や埼玉県(734万人)の人口とほぼ同じ規模。

北海道(522万人)や福岡県(513万人)より多い。

2035年の日本の将来推計人口は1億800万人で、移民はそのうちの6%を占めることになる。

「移民」は確実にマジョリティを形成しつつある。

別の話をしたい。

春休み、家族である地方を旅するのだが、そこで泊まる予定のホテルに聞きたいことがあり、電話で問い合わせてみた。

「はい」

電話に出たフロントの女性がそう言う。

正直、面食らった。

それなりに値の張るホテルである。

「お電話ありがとうございます。〇〇ホテルです。」

と出るのが通常だと思っていたが、まるで誰かの家にかけたかのような「はい」という素っ気ない対応に思わず「〇〇ホテルさんですか?」と確認をしてしまった。

訛りからして外国の方なのだと思う。

しかし、応対自体は問題なく、こちらの問い合わせにもすんなり答えてくれた。

要は能力的には優秀なのに、やや日本語が苦手というだけのこと。

日本で働く外国の方々とのコミュニケーションでは、往々にしてこのようなことがある。

つまり、日本語という高いハードルがあり、そしてどこかに

「日本にいるんだから日本語を話せ!!」

という自己本位な要求があるように思う。

正直、私の中もある。

だが、一歩下がって俯瞰して見れば、やや言葉が不明瞭でもこちらの要望に応えてくれれば十分なはず。

例え相手が日本人であっても、過剰に丁寧な対応を求める時代でもないだろう。

これから10年後、20年後。

好むと好まざるとに関わらず、移民は我々の隣人となる。

文化の違いによって深刻な対立が起こる可能性は否定できないが、まずは言葉の面で「細かいことを言う」のはやめよう。そう思っている。

日本語が拙いくらいで「やれやれ・・・」というような態度をとっていては、近未来の日本では常にフラストレーションを溜めて生活しなくてはいけない。

むしろ、簡単な意思疎通くらいは英語や中国語で伝えられるくらいの能力が必要になるかもしれない。

先のファミレスの話でもリストの名前くらいローマ字で書けば良いのだ。

ローマ字なら読めるだろう。

自分たちは海外に出ていかず、内向きな少子高齢化に磨きをかけた結果、いつの間にか国内に「海外」が出来ていて、結果的にグローバルにならざるを得ない。

そんな逆輸入的な「グローバル化」も、何とも日本人らしいではないか。

本日のコラムでした。

 

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3月 16th, 2025 by