相続税を減らす?保険を活用した贈与プランを解説!!(1/2)


今回は贈与と、保険を使った「贈与プラン」について説明致します。

まずは、贈与について基礎的な部分を確認しましょう。

贈与とは?贈与税とは?

その名の通り、贈与とは資産を『贈』り『与』えることであり、資産を送る方を「贈与者」、資産を受け取る方を「受贈者」と言います。

なお、贈与を行った場合には「贈与税」という税金が発生します。

この贈与税は「受贈者」、贈与を受け取った方が払います。

素朴な疑問として、

「何故、自分の財産をプレゼントするだけで税金を取られるのだ!!」

とも思いますが、これは相続税と関連しています。

例え話をします。

一人の資産家がいたとします。

資産100億円としましょう。

この方が亡くなると、この資産を相続する次の世代(息子、娘など)には相続税が発生します。

相続税の最高税率は55%(資産6億円超)ですから、100億円もの資産があれば50億円程度の相続税がかかることになります。

相続税の根底には「富の再分配」という思想があり、これがなければ

「金持ちの子孫はずっと金持ち」

ということになり、社会的な不平等感を招きます。

そのため、一部の国を除き、相続税は各国に存在します。

しかし、当の資産家やその子供たちからすれば、この相続税は当然ながら「嫌」でしょう。

そのため、相続税が発生する前(親が生きている間)に親から子供たちに「贈与」を行い、資産を次世代に移そうとしますが、国はここにも網をかけます。

それが贈与税です。

相続税の場合、6億円超の相続財産を持つ場合に最高税率の55%が適用されますが、贈与税の場合は4500万円を超えた段階で55%が適用されます。(特例税率の場合:詳しくは後述)

つまり、贈与税を相続税より「厳しく」することで、相続税逃れを防いでいるわけです。

しかし、かと言って贈与が意味がないわけではありません。

国も多少の「お目こぼし」をしているため、それらを上手く活用すれば相続税を軽減することが出来るのです。

その一つが「110万円の非課税枠」です。

現在(2025年6月時点)、受贈者一人当たり年間110万円までは税金がかかりません。

これを使えば、非課税枠で親世代の資産を子世代に移すことが出来ます。

お子さんが3人、お孫さんが5人いるような方であれば、それぞれに110万円を渡すことで、年間880万円(110万円×8人)が、

「親世代の資産減少」→ 相続税の対象を減らす

となり、相続税の減税につながります。

なお、あくまで「受贈者一人あたり」なので、例えばお子さんが両親(父、母)からそれぞれ110万円を受け取った場合は、合計220万円となり、110万円を「超えた」分には課税されます。

この「超えた分」の課税については、2つのルールが存在します。

それが「一般税率」と「特例税率」です。

この違いは「直系尊属か、否か」です。

直系尊属という小難しい言葉が出てきましたが、これはお父さん、お母さん、お祖父ちゃん、お祖母さんのことです。

この直系尊属からの贈与については「特例税率」が、それ以外の贈与については「一般税率」が適用されます。

注:それ以外とは?以下のような関係を指します。

夫の両親から妻、妻の両親から夫、兄弟間、夫婦間、親から子(子が未成年の場合)、友人、知人など

上の表からは分かりにくいですが、110万円の非課税枠を「超えた場合」には、直系尊属に適用される特例税率の方が税負担が軽くなるように配慮されています。

例:710万円(非課税枠110万円に600万円を上乗せ)を贈与した場合

一般税率 課税金額 115万円(贈与710万円に対して16.2%)

特例税率 課税金額   90万円(同 12.7%)

国からしても「親子間の相続は優遇しますよ」ということで、これが贈与における「お目こぼし その2」と言えます。

以上ご説明してきたように贈与は相続税を減らす上で有効なツールではあります。

残念ながら「一撃必殺」といったような効果はありませんが、毎年コツコツやることで、確実に相続の対象となる資産を減らすことが出来ます。

そしてこの贈与に「保険を使う」ことで、より効果を大きくすることが可能です。

次回はそのあたりをご説明したいと思います。

相続税を減らす?保険を活用した贈与プランを解説!!(2/2)

 

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6月 21st, 2025 by