相続税を減らす?保険を活用した贈与プランを解説!!(2/2)


さて、前回(第一回)は贈与の基礎知識、そして贈与税と相続税の相関関係について理解して頂きました。

相続税を減らす?保険を活用した贈与プランを解説!!(1/2)

今回はこの贈与に「保険を使う」ことでどのようなメリット、デメリットがあるのか見ていきましょう。

まず、その前に贈与における「保険の使い方」ですが、一般的には以下のような契約形態をとります。

ここでは、親から子への贈与(110万円)とします。

契約者   :子

被保険者  :親
注:被保険者は保険の対象者です

保険金受取人:子

保険料負担者:親(親の口座から毎年110万円を引落し)

分かりやすく言えば「親からもらったお金」で「親に保険をかける」という形です。

この形態で、終身保険や養老保険などの「貯蓄系の保険」に入ります。

これらの商品は、10年後、20年後に返礼率100%を超えるものを選びます。

長い目で見て「貯金より増える」ということが重要です。

そうでなければわざわざ保険にする必要がないからです。

では、このような保険はどのようなメリットがあるのでしょうか?

主に以下の4点です。

1 増える

2 贈与の「証拠」になる

3 資産に「鍵」をかけられる

4 保険金で「より多く」受け取れる

 

1 増える

これは先ほど述べたことと重複しますが、貯蓄系の保険商品であれば将来的に資産を「増やす」ことが可能です。

贈与でよくあるパターンとして

「子(もしくは孫)の口座に毎年110万円を移す」

というものがありますが、これでは折角の資産が寝てしまい、増えません。

もちろん贈与で受け取ったお金を株式や投資信託に投じ、より積極的に増やすという手法もありますが、これらはリスク度が高く、将来のリターンも不確定です。

上の世代から受け継いだ大事な資産を減らす可能性もありますが、その点保険であれば、加入時に将来のリターンはある程度確定しています。

今なら円建ての商品で、20年後に110%、ドル建てであれば150%前後でしょうか(加入する年齢によっても異なります)

まさにミドルリスク、ミドルリターンであり、資産家の

「次に世代に安全に資産を渡す」

という目的に合致していると言えます。

 

2 贈与の「証拠」になる

贈与を行う場合、親と子(もしくは孫)の間で、贈与契約書を作成することが一般的です。

将来相続が発生した場合、相続財産が大きければ大きいほど税務調査が入る可能性が高く、その際「生前贈与」は必ずチェックされるポイントです。

つまり、

「贈与は適切に行われていたのか?」

という点を調べられるわけですが、そのような場面で決定的な証拠となるのが、贈与者、受贈者双方の印鑑が捺印されている贈与契約書です。

しかし、これが意外と面倒で、特に子世代、孫世代が遠方に住んでいるような場合、ついつい書類の作成が後回しになり、そのまま忘れてしまうようなことも多々あります。

実際に相続が発生してから「あれ?平成〇年の分が足りないぞ・・・」となるわけですね。

その点、生命保険であれば「保険」という法的な契約を締結し、更には金融機関を通して親の口座から保険料が引き落とされているため、贈与の事実が明白です。

なお、これは「贈与契約書を作成しなくても良い」と言っているわけではありません。

それはそれととして作っておいた方が良いですが、万が一、失念したとしても保険会社を介した事実があり、それがある程度の証拠となりえます。

贈与という事実を保険が補完してくれるわけです。

 

3 資産に「鍵」をかけられる

筆者が思うに、これは保険を使う一番のメリットです。

当たり前の話ですが、贈与を行った瞬間、その資産は子(もしくは孫)のものとなります。

そのため、それをどう使おうかは受けとった側(子や孫)の自由で、親は口をはさむことは出来ません。

もちろん、ほとんどのお子さん、お孫さんはしっかりされていると思うので、ちゃんと貯めておいて、親が望むような場面(進学や結婚、家購入など)で大事な資産を使ってくれると思いますが、全員が全員そうだとも限りません。

中には「年に一回の親からのボーナス」と言った風に捉え、ギャンブルや遊興費に浪費してしまう方もいます。

その点、贈与を保険という形にしておけば、簡単に使うことは出来ません。

まず、加入してから数年(5~10年程度)は支払った分より返戻金の方が少ないので、解約してしまうと損をします。

また、解約をする際には色々な手続きがあるため、それは当然ながら保険を販売した担当者に耳にも入ります。

「どのようなご事情ですか?」

その担当者からそう聞かれることもあるので、それが一定の抑止力にもなります。

相続税対策にもなるので、早い段階で子や孫に資産を渡してあげたい。

しかし、無駄使いはして欲しくない。

保険契約は、そのような親世代の希望を叶えるための「鍵」となります。

 

4 保険金で「より多く」受け取れる

これも保険の大きなメリットです。

実際の例を見てもらった方が早いでしょう。

保険会社:A社

商品:円建終身保険 1300万円

保険料:110万円

支払期間:10年

契約者:30歳男性(息子)

被保険者:60歳男性(親)

保険受取人:息子

保険料負担者:親(親の口座から引き落とされる)

注:上記の商品は実在の商品を簡素化して表現したものです。実際には細かい数字は異なります。あくまで「イメージ」としてとらえて下さい。

この契約はお父様に万が一のことがあった場合、保険金として1300万円が支払われます。

保険料は年間110万円、これが10年間続き、10年支払った段階で終了し、以後は1300万円の保障が一生涯(終身)で続きます。

支払った保険料の総額は1100万円(110万円×10回)

つまり、1100万円を支払えば、「いつかは(人は必ず亡くなるので)」1300万円が受け取れるわけです。

一方、支払った保険料も10年間で1100万円が貯まり、以後年0.6%程度で増えていきます。

これが1で述べた「増える」という点です。

なお、話が少々横道に逸れますが、これがドル建終身保険の場合、年3~4%程度で増えていくため、ドル建の方が貯蓄として魅力があります。そのため、弊社でお預かりしている贈与プランではドル建商品を使うことの方が多いです。

話を本筋に戻します。

この契約では保険の対象者となる被保険者は60歳のお父様ですが、年齢的に見れば保険料を支払っている10年間の間に亡くなる可能性は「それなり」にあります。

例えば加入して5年後、65歳で亡くなったとします。

この場合、保険金の1300万円が支払われます。

そこまでに支払った保険料は5年分なので、550万円です。

差し引き750万円(1300万円-550万円)がお子さん(お孫さん)に手元に残る純利益となります。

このような贈与プランを導入する方は、当然ながら相続税も高額になることが想定されるため、保険金をそれら相続税の原資として利用することも可能です。

万が一の時、通常の贈与金額を大きく超えた「保険金」を遺すことが出来るため、これも贈与に保険を使う大きなメリットと言えます。

以上、ここまで贈与における保険の使い方とその利点を述べてきましたが、最後にデメリットについても触れたいと思います。

それは2つ。

1 すぐには使えない(5~10年程度の時間が必要)

2 途中で辞められない

保険である以上、契約初期に解約をすると損をする可能性も高く、そのため「今すぐ使いたい」というニーズには合致しません。

また、毎年支払いが必要なため「今年で止めたい」ということもできません。

ただ単に現金を渡す贈与に比べると、保険契約に縛らているため、自由度という点では劣ります。

贈与プランで保険を使うなら、このようなメリット・デメリットを考慮の上、

・どれくらいの金額にするべきか?(無理、無駄のない保険料設定)

・どれくらいの期間にするべきか?(短期間でドカッと?、長期間でコツコツ?)

・どのような商品を選ぶべきか?(円建て?ドル建て?)

など詳細を詰めた方が良いでしょう。

みかづきナビでは、過去12年間で約60件ほどの贈与・相続税対策の保険契約をお預かりしております。

豊富な経験からお客様に最適な「贈与プラン」をご提案いたします。

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6月 28th, 2025 by