趣味のトーク 最も大事なこと


弊社が扱うのは保険と不動産だが、前者は「生と死、病」、後者は「住まい」そしてどちらも大きなお金に関わることであるため、お客様とはかなり深い話をすることになる。

しかし、この手の話は個人のプライベートの中でも極めてセンシティブな場所にある情報であり、そうそう簡単には本音は出ない。

そこまでたどり着くための有効なツールが「趣味の話」だ。

一足飛びに中心部には行けなくとも、趣味という周辺部から足を踏み入れれば、そこを経由して最短距離で目的地にたどり着ける。と、経験上そう思っている。

さて、趣味。

誠に幅広い。

サッカー、野球、マラソン、ゴルフなどのスポーツ系。

読書、マンガ、映画鑑賞などの文科系。

スポーツ系のトークは正直、楽だ。

メジャー系のスポーツはこちらも多少の知識はあるし、マイナー系であれば「どんなところが魅力なのですか?」と問えば、饒舌に説明してくれる。

また、大人になってからもスポーツをやっている方には快活な人が多いので、話も盛り上がる。

逆に文化系はやや難しい。

あまりに範囲が広いため、お客様の「好み」を聞いたところで、こちらがそれを読んだり観たりしていないと話が通じないからだ。

そんな時は「私はこれが好きです」と、こちらの手札をさらけ出してしまう方が良い。

映画や漫画、小説であれば「これとこれとこれが私の人生ベスト映画(漫画、小説)なのですが、どうですか?」と。

どうですか?と問われても知らんよ、という話なのだが、相手が博識であればあるほど、だいたい拾ってくれる。

「ああ、それが好きならこれもお勧め」

「これも面白いよ」

などなど。

お客様を「師」としてしまい、そこから学ぶ姿勢を取ると会話は盛り上がる。

またそこで出てきた作品を次回お会いする時までに実際に見たり、読んだりすれば、より深い話が出来る関係になる。

このような趣味の世界で最も難しいのが「クラシック」「アート」「歌舞伎」だ。

お金持ちが好きなものでもある。

この分野はベースの知識がないと全く話が成立しない。

幸い、今はネットで情報が取れるので、知ろうと思えばどんなことでも調べられる。

アートにおいては山田五郎先生の「オトナの教育講座(youtube)」、毎週土曜日の10時からテレビ東京で放映される「新美の巨人」

また都内には呆れるほど多くの美術館があり、どこも500円程度で入れる。

よく分からなくてもとにかく一度でも見れば「見ました」とは言える。

クラシックもかなり著名な演奏がyoutubeで聞けるし、amazonミュージックなどでも豊富なプレイリストがある。

それらを聞いているだけで、いつの間にかそれなりに知識は増えていく。

その点、劇場まで足を運ぶしかない歌舞伎が最も難易度が高いかもしれない。

それでもお金さえ払えば見られし、一幕だけ見られるような安いチケットもあるので教養のために2,3回足を運んでみても良いだろう。

が、ここで重要なこと。

それは・・・

多少知った程度の知識で勝負をしてはいけない。

ということだ。

クラシック、アート、歌舞伎は好きな人は本当に好きで、その知識量は膨大だ。

セールスの世界に「ワイン好きにワインを贈るな」という言葉があるが、付け焼き刃程度の知識で「私も好きなんですよぉ~」などと挑むのは無謀としか言いようがない。

そのため「全く知らない」という姿勢の方が良く、ここでも相手を「師」にすることだ。

だが、ベースの知識さえあれば、話をしているうちに「こいつ、多少は知ってるな」ということを相手が感じ取る。

ゼロだと思っていたのに意外と博識。

変に知ったかぶりするよりは、その方がインパクトは残る。

その上で、お勧めを聞く。

どんな美術館が良いか?クラシックは何から聞くべきか?歌舞伎は何を見るべきか?

そして、実際に行き、その感想を届ける。

先に述べたお勧めの小説や映画を読んだり、見たりするよりハードルは高いが、その分、「学びたい」という熱意は伝わる。

そう、大切なのは「行動」なのだ。

上手く話を合わせるより、相手の言ったことをやり、そこから真剣に学ぼうとする。

ここまですれば、こちらは「本物の弟子」となる。

師と弟子になれば、打ち解けるのは早い。

そして無事、仕事を頂いたら密かに(一方的に)師弟関係を解約する。

それは仕方ない。

また新たな師(お客様)を見つけないといけないからだ。

そうして、中途半端な雑学だけが溜まっていく・・・・

まあ、それも悪くない。

何も知らないよりはマシだろう。

本日のコラムでした。

 

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6月 7th, 2026 by