資産運用なんかより、欲しい物を買え!!欲しい物より・・・・


「あのさー、この間相談した1,000万円。預けるより使うことにしたよ。なので、申し訳ないけど、今回は見送りってことでお願い。悪いね。」

古い付き合いのAさんより、こんな連絡を頂いた。

お母様がAさん名義で昔から続けていた1,000万円の定期預金が満期を迎え、その新たな運用について相談されたのが1カ月前。

一時払いの保険商品をいくつかご提案し、あとは「どれにするか決めて連絡する」ということになっていた。

で、結果は「お断り」ということになった。

これ自体は仕方がない。営業をやっていれば失注することもあるし、むしろそっちの方が多い。

第一、決めるのはお客様なのだからこちらがどうこう言う問題でもない。

「何に使うんですか?」

世間話のついでに聞いてみる。

「いや、ちょうど凄いものが見つかってさぁ」

Aさんがこのように言う場合、だいたいが「骨董」だ。

若い頃からの趣味で、この手のお話はだいぶお聞きした。

騙されたこともあるようだが、歳を経てからは目利きが利くようになり、最近では自分の望むものが手に入るようになったそうだ。

骨董の世界も結局は「人脈」

信頼できる骨董商をどれだけ知っているのかが重要とのこと。

何度も取引をして、その過程で真贋の判断や市場価格などを教えてもらい、一定レベルの知識がつき、目が利くようになれば、相手も「良い品」を出してくるのだそう。

逆に金だけ持っていても、物の良し悪しが分からない人には「売れ残った在庫」を割高に売りつけるとのこと。

これも授業料なのだろう。

何だか面倒くさそうな世界だが、好きな人は好きだ。

 

Aさんが言う。

「俺もさ60歳超えただろ?運用って言ったっていつ死ぬか分からないしさ、だったら好きな物に囲まれて暮らした方が良いかなと思って」

提案を断られたこと自体は多少の残念ではあるものの「おっしゃる通り」でもある。

資産運用など、所詮は「余ったお金」でやるべきで、欲しいものや、やりたいことがあるならまずはそれにお金を使うべきだ。

その点、最近では運用にお金を入れ過ぎる「NISA貧乏」という若者が増えているそうだが、本末転倒もよいところ。

若い頃こそ、様々な経験をして見聞を広げるべきでありうんぬん、と話を続けたくなるが、説教臭くなるのでこのあたりにしておく。

話を戻す。

「〇〇時代の陶工、〇〇の作で、この価格じゃまあ出ない」

説明のほとんどが理解出来なかったが、嬉しそうで良かった。

10年後、これが贋作だと分かり

「あの時、運用に回しておけば良かった・・・FPとしてなんで俺を止めなかったんだ!!」

とか言われそうな予感もするが、それも人生のエピソードとしては味わい深いではないか。

お金より欲しい物。

私自身もそう考えて実践してきた。

だが元来物欲が低いのか、すぐに満足してしまう。

車も若い頃、結構高い車を買ったが1年乗っただけで満足し「カーシェアで十分」と悟りを開いた。

以来、保有すらしていない。

時計も高いものを数本買ったが、別段、本数を増やしたいとも思わない。

今も欲しいものが無いわけではないのだが、どうせ買ったところで「すぐに飽きる自分」を知っているので、買う前から「別になぁ」という気になってしまうのだ。

むしろお金があって「買おうと思えばいつでも買える」という心理状態の方が好きだ。

私の中では「いつでも買える」のは「買った」のと同義なのだ。

例えばビジネスクラス。

乗ろうと思えば乗れる。だからマイルールから言えば「乗った」ことになる。

だが、実際には普通のエコノミーで行く。

ビジネスクラスに乗った(頭の中だけ)のに、料金はエコノミーで済む。

差額分が儲かることになり、非常に気持ちが良い。

「コイツ何言ってんの?」と思われるだろうが、まあそういうことだ。

お金を貯めるより欲しい物を買った方が良い。これに異論はないが、買えるなら買ったも同然という私のような高みにたどり着ければ人生は楽しい。

我ながら楽観的で助かっている。

本日のコラムでした。

 

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7月 12th, 2026 by