上り坂、下り坂、? 人生の3つの坂


私の叔母はなかなか機智に富んだ人で、昔から話をしていて飽きることがない。

その叔母が言う。

「人生には3つの坂がある」

と。

上り坂、下り坂、そして「まさか」

上り、下りはよく分かる。

人生には良い時があれば、悪い時もある。

しかし、予期せぬトラブル。

それが「まさか!!」だ。

保険の仕事をしてきて、このような場面は何度も見てきた。

病、災害、経済的な損失、信頼していた人の裏切り、等々

上り坂も下り坂も、そこには連続性があるが「まさか」にはそれがない。

ある日突然、落とし穴のようにスポッとはまってしまう。

そこから抜け出すには相当な苦労があり、場合によっては抜け出せぬまま没落したり、そのまま亡くなることもある。

悪戯に「まさか」を変換してみれば「真坂」と出た。

人生における真の坂

まさにその通りなのかもしれない。

家族全員健康で、夫婦仲良く、子供たちは自立し、可愛い孫が生まれて、皆に見送られながらこの世を去る

お父さんが先に逝き、その数年後、お母さんが。

ほとんどの人がそんな人生を思い描いているだろうが、こんな人生を送れるのは数%だ。

実際のデータでも、死因の1/3は突然死(脳卒中、心筋梗塞など)で、1/3はがん、残りの1/3がいわゆる老衰死。そして、その中には認知症が7,8割含まれる。

つまり、しっかりとした自意識を持ちながら死を迎えられるのは1/3(33%)のがんと、1/3の老衰死の中の1/3(10%弱)

合計43%で、更にそれが「夫婦二人とも」となると、単純計算で16%(40%×40%)程度しかない。

もちろんこんな計算にはさほどの意味はないが、それでも多くの人がイメージしているような「死」。その確率が意外と高くはないことが分かる。

そして、それ以外にも地震や台風(水害)などの災害に会う可能性、詐欺や身内の不始末によって経済的なダメージを負う可能性、最も悲惨な子供や孫の不幸。

悲しいかな人生にはこれらのリスクがつきまとい、そして一定程度の割合で実際に起こる。

それらすべてを回避しきる。

そんな人生を送れる人など「数%」でしかない。

言い換えれば、「まさか」はほとんどの人におこり得る。ということで、むしろ「いつかは」と覚悟しておいた方が良い。

私自身は妻や子供にいつ何があってもおかしくないし、東京に住んでいる以上、大地震には遭遇するし、自分自身も最後は大病で苦しんで野垂れ死ぬ。そう思っている。

もちろん実際にそうなるかは分からない。

だが、ここまで悲観的に考えておけば、むしろそれよりは「マシ」な人生になるだろう。くらいの気持ちで過ごしている。

「人生には3つの坂がある」

「まさか(真坂)」を含め、「ある」と断言しているあたり、叔母の言葉は深い。

その叔母もなかなか厄介な難病を患い、その病と闘っている。

そして、最近、旦那さん(叔父)も亡くし、意気消沈しているかと思えば、

「私もそろそろね。この歳になるとあっち(あの世)の方が知り合いも多いから、死ぬのもさほどに怖くない」

と飄々としている。

その姿は頼もしくもあるが、しかし、何事も思い通りにはいかない。

ここから長生きして「まさか」こんな生きるとは思わなかった。と周りを驚嘆させて欲しい。

そんな「まさか」もありえて良い。

そうでなくては人生は辛すぎる。

本日のコラムでした。

 

この記事が気に入ったら
いいね!しよう

最新情報をお届けします


11月 9th, 2025 by