西表島、移住の現実性を考えてみた


今年(2025年)の夏は西表島で6日ほど過ごした。

「最後の秘境」、「東洋のガラパゴス」とも評される西表島の大自然は本当に美しく、コンクリートジャングルの東京とは隔世の感がある。

昼は子供たちとシュノーケリングや、キャニオリング(沢登りや滝つぼへのダイブ)を行い、夕方には亜熱帯特有の激しいスコールが。

一転、わずか数十分で空は晴れ、真っ赤な太陽が東シナ海に沈み、その後には満点の星空が我々を覆う。

と、いくら書いてみても、その荘厳さ、美しさは文章などでは表現することは出来ない。

機会があれば是非行ってみて頂きたい。

さて、離島移住のことだ。

我が家は「離島」が好きで、マニアと言うほどではないが、結構色々な場所に行っている。

その経験から言えば離島には2つのベクトルがあるように思う。

1つは秘境感、もう1つは利便性。

当然ながら秘境感が高くなれば、利便性は下がり、利便性が上がれば秘境感は下がる。

一つの基準は「コンビニ」だろう。

これがあるかないかで、利便性は大きく変わる。

その点から見れば、石垣、宮古などは大都会だし、実際、今回10年ぶりに石垣島を訪れたが(西表島には石垣島経由でフェリー)どこもかしこも新築ラッシュで、街は以前より確実に発展していた。

大通りにはマクドナルドにココイチ、ドン・キホーテが並び、見える景色は地方都市のそれと変わらない。

もちろん石垣も宮古も、行くところにいけば「秘境」があるのだろうが、昨今のオーバーツーリズムの影響で、かなり開発され尽くされている感はある。

反面、あまりに秘境に行くと本当に何もなくて困る。

経験で言えば、加計呂麻島(奄美大島からフェリー)がその分野のナンバーワンで、島内にはコンビニはおろか個人商店が数軒ある程度で、そしてその品揃えは壊滅的だった。

その分、秘境感はグンと上がり、海の綺麗さは抜群。

それに比べると西表島はかなり整備されている。

コンビニはないが島内にはスーパー的なものが3,4はあり、それなりに品も揃っている。

また、ホテルも、飲食店も多い。

なお、余談ながら西表島の飲食店のレベルの高さには非常に驚いた。

以下、メモ代わりに今回行ったお店を挙げておくが、どこもとても美味しく、特にenの料理は素晴らかった。(料金も観光地価格ではなく、かなり手ごろ)

一隼(いちたか)

白浜そば

島イタリアン en

西表島は10年ほど前に石垣島に行ったついでに日帰りで訪れたことがあり、その時には「何もない」というイメージだったが実際に滞在してみると意外と便利で、秘境感と利便性が「ちょうど良い」

正直なところ先に挙げた加計呂麻島は「ここには住めないな・・・」と感じたが(実際に住んでおられる方には大変失礼ながら)、西表島は「現実的」かもしれない。

実際、現地の方のお話を聞いてみると、西表島には現在2400人が島民がおり、約7割が移住者とのことだった。

ホテル、飲食店のスタッフなどは「いかにも移住者」という若者が多く、反面、島で育った若者は島を離れて都会に出ていく割合が高いらしい。

それらが常に新陳代謝を起こし、島の人口はやや微増で推移しているそうだ。

が、ファイナンシャルプランナーという仕事柄、どうしてもお金が気になる。

「いきなり来て、どれくらい稼げるんですか?」

我ながら不躾だが、会う人にそう問うと、返ってきた答えはこんなところだった。

・だいたい時給は1000円程度

・一部高級リゾートホテルであれば1200円スタートだが競争倍率は高い

・観光ガイドの仕事はかなりハードルが高く、まずは下働きから

・その後「仲間(協会のようなものがある)」に認められると独立の可能性がある

・漁業、農業の仕事は外部の人間にはほとんど門戸が開かれていない

・単身者であれば勤務先の寮などへの「住み込み」が多い

移住当初は月給20万円、手取りで15万円くらい。

そこから家賃や光熱費や通信費、食費などを引くとほとんど手元には残らないが、生活はしていけるとのこと。

我が家も下の息子が9歳となり、大学進学を一区切りとするなら、子育てもあと10年を切った。

老後はこんな場所で時給1000円で働きながら過ごすのも一興。

旅の最終日、夫婦でそんな話をしていたところ、仕事のパートナーの一人から一本の電話がかかってきた。

「〇〇です。今進めている〇〇の案件、〇〇さんが〇〇で、〇〇しそうです」

大好物のトラブルだ。

一気に血が沸き、肉が躍ってきた。

まあ、こんな性格じゃ一生移住なんて無理だろう。

本日のコラムでした。

 

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9月 7th, 2025 by