ピアノ投資はあり得るか?を考察


最近の願望、それは・・・

良いピアノが欲しい

娘のお稽古ごととして始めたピアノだが、それに影響された父が触れるようになり早4年。

娘は中学受験を機にやめてしまったが、私は未だにしつこく続けている。

youtubeを師匠と崇め、我流で3年ほど頑張ったが、流石に限界を感じ、娘が師事していた先生のもとに入門。

やはりプロの指導・アドバイスは的確で、自分でもこの1年間でメキメキと力がついたことを感じている。

で、そうなると良いピアノが欲しくなる。

現在使用しているものは、娘が始めたタイミングで祖父がプレゼントしてくれ電子ピアノで、電子ピアノとしてはかなりグレードの高いものなのだが、どうしてもタッチの「軽さ」が気になる。

ピアノ教室ではYAMAHAの上級モデルのアップライトを使用しており、それとの差は歴然。

さほどの腕前ではないが、さほどでもないが故にせめて道具くらい良いものを持ちたい。

そのため、最近はピアノショップや中古ピアノ展などを巡っているのだが、これがなかなか面白い。

ご存じの通り、ピアノの価格はピンキリで本物のアップライトでも安いものなら10万円台からあるし、高いものではウン千万円のものもある。

そして、色々と話を聞くうちに別の角度の「欲求」が湧いてくる。

「出来れば価値が上がるものが良い」

もうこれは職業病だろう。

保険&不動産という、資産とお金の専門家である私は、価値が下がるものを極端に嫌う。

そのため高級車やブランド品などにも全く興味がないのだが、はてピアノはどうだろうか?

この「資産性」という観点から話を聞くと、人によって言うことがまるで違う。

あるメーカーのセールス担当者は、このようなことを言っていた。

・高級モデルであれば、10年使ってもかなり下取りが良い

・今のインフレが進めば、買値よりも高くなることも十分考えられる

・10年以上経過すると下取りがガクンと下がるので、10年ごとに買い替えるのが良い

車に例えるなら3年ごとにベンツ、もしくはレクサスを乗り換えるようなイメージだろうか。

しかし「買値より高くなる」というのはかなり眉唾で、他のセールス担当者はこの発言を一様に否定していた。

概ね「買値の4,5割で売れれば御の字」という感じで、中には「1,2割だと思った方が良い」とはっきりおっしゃる方もいた。

正直なところ、高温多湿な日本の環境は、湿気を嫌うピアノには「不向き」な環境であり、ヨーロッパなどに比べると劣化するのが早いそうだ。

そうなると、どんな良いピアノを買ったとしても、その価値は10年で50%低下するものであり、「投資」としては割に合わない。

だが、そんな中で唯一の例外が「スタインウェイ(Steinway & Sons)」だ。

アメリカのメーカーでピアノの最高峰とされている。

新品であれば最も安いものでも1,500万円を超え、最高級モデルは4,000万円超。

中古でも500万円以上はするし、一部のモデルは美術品扱いとなっているため、オークションなどで家が買えるような価格で取引されている。

ある展示で一度だけ触ったことがあるが、そのタッチと音の鳴り方は素晴らしく、多くのファンを魅了することが私程度でも理解できた。

なお、ピアノの世界ではこのスタインウェイと、ベーゼンドルファー、ベヒシュタインの3社を「3大メーカー」と呼ぶ。

その中でもスタインウェイの人気は群を抜いている。

なお、当然ながら高すぎて手が出ない。

また、これもある販売員の話を借りれば、資産性はあるものの、実際に「売ろう」とすると相当大変なのだそうだ。

価値が下がらないのは主にグランドピアノであり、日本の住環境ではそもそもグランドを置ける家が少ないため、そもそも流通量に限りがある。

そして価格も高いため、右から左に売れるものでもない。

結局は専門業者に買い取ってもらうしかないが、その業者としてもかなりのコストをかけて修繕とメンテナンスを行い、更には長期間在庫で持つ覚悟をしなくてはいけないので、そこまで高い買取価格を提示出来ないとのことだった。

私が触ったスタインウェイは中古で1000万円くらいだったが、買取価格は「200~300万円程度」とおっしゃっていた。

注:随分と正直な販売員だが、私がいる保険や不動産などの世界に比べると、ピアノのセールスは「ピアノが好きでやっている」人が多いせいか心が綺麗な人が多い印象だった。

つまりは、それくらいの利幅がないと商売として成立しないのだろう。

結局のところ、一部の骨董的価値を持つピアノを除けば「買値より高く売る」ということは、例えスタインウェイであっても現実的ではないようだ。

と、言うことで「ピアノは投資に向かない」これが結論だ。

しかし、我ながら本当に良くない癖だ。

多少の小銭はある。ピアノが欲しいなら、欲しい物を買えば良いではないか・・・・

今年50歳、生きたとしてもせいぜいあと30年数年だろうし、その間、ピアノは友として私のそばにずっといてくれる。

そんな「友」を値踏みし、価値が上がるとか下がるとか。自分が嫌になる。

でもなぁ、場所取るしなぁ、それなのにどんどん価値下がるんだろ?

うーん、とりあえず安いやつで我慢するかぁ、でもそんなん買ったら絶対買取ゼロだよなぁ・・・・

そんな私を横目で見て妻が一言。

「あんた一生買えないわよピアノ」

冷たい言葉が心に刺さる秋の夜であった。

本日のコラムでした。

 

 

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9月 19th, 2025 by