部活、それはかけがえないの日々・・・


今年中学一年になった娘が水泳部に入った。

娘の中学には屋外型のプールしかなく、そのため水泳部と言っても実際にプールに入れるのは6月下旬から9月上旬まで。

その他のシーズンは日々筋トレと、週に一度程度、最寄りの公的プール(室内)で練習するのだそうだ。

つまり新学期から水泳部員となったもの、4,5月はほとんど水に入れてもらえず、基礎体力向上に勤しんできたわけだが、6月になり満を持し学校のプールに入る。

彼女は小学校1年のころから水泳を習っていて、通っていたスイミングスクールでも結構上のクラスまで進んでいたのだが、何故かそのスクールが「潰れる」という憂き目にあい、しかもそれが中学受験が本格化する頃だったため、そのままやめてしまっていた。

要は過去の話とは言え多少なりとも「腕に覚えがある」わけだ。

で、実際に泳いでみた結果は・・・

まあまあ、だそうだ。

遅い方ではないが、大会などで入賞経験もある同級生もいて、更には何年も地道な練習を続けていた先輩などには敵うはずもない。

ちなみに中高一貫校なので、「先輩」には高校生もおり、中学一年生の目から見ればほぼ大人。

つまり、水泳部ヒエラルキーの中では、かなり下にいることになる。

まさに井の中の蛙、なんとやらというところだろう。

さほど口数が多いわけではない娘が、夕食時にそんな部活事情をポツポツと話す。

ふーん

こちらもさほどの感想を持たず、何となくその話を聞く。

何のきっかけなのか、急に記憶のページが、それもかなり下層にあったところがめくれる。

私も今から37年前、中学一年の時に剣道部の門をたたいた。

小学校1年から4年まで。地元のサークルで剣道を習っていて、その他のスポーツ全般は苦手だったが、剣道だけはそれなりにやれていた。

中学に入って「さて部活は?」と思った時、経験があるというだけで何となく剣道部の見学にいったのだが、率直に言えば剣道が特段に好きだったわけでもない。

剣道部を志望した新人、確か7,8人だったか、それを一列に並べ、中学3年生の先輩が我々に竹刀を振らせる。

未経験者も多く、素振り一つさせてみても経験者と彼らとの差は明確で、ブン!!と私が一振りしただけで先輩から「おお、流石だな」などと言われ多少の優越感があったようにも思う。

そして、ちょっと褒められただけで安易に入部してしまった。

その後、地獄のような練習と超厳しい上下関係が待っているとも知らず・・・

とは言え、中学高校と勉強をした記憶はあまりないが、とにかく剣道の練習はよくやった。

冬の朝練では道場の床が氷のように冷たくて、動いていないとしもやけになるほどだった。

夏の合宿では、灼熱の中、気を失うほどの汗をかきながら、狂ったように先輩に打ち込んでいった。

しかも当時は「水飲み厳禁」で、今思えばよく死人が出なかったと思う。

そんな日々こそまさに青春。

何年経っても色あせない、むしろ時を経れば経るほど大事な思い出だ。

 

隣では引き続き娘が夏の大会の話をしていた。

本来はデビュー戦になるはずの大会だが、出場にはタイム制限があり、それをクリアできるか微妙なのだと言う。

そんな娘をちょっとだけうらやましく感じた。

自分はもう二度と体験できない日々。

やっている最中は辛くて苦しいけど、後から振り返ればかけがえない日々。

「しかし、俺もちょっとかじった剣道を選ぶ、お前も経験のある水泳を選ぶ。要は多少自分が有利な分野を選ぶあたり、その姑息さはやっぱり親子だな」

特に理由はないが、多少のくやしさもあってそんな嫌味を吐く。

私は水泳が好きだから選んだけであり。あたなとは違うとかそんなことを強弁していたが、まあ良い。

とにかく楽しんで。

心の中でそう言う。

嫌味を言うより、それこそ口に出して言えば良いものだが、ひねりにひめくれたこの親父はどうにもそういう精神構造にはなっていないようだ。

ああ、そういえばその大会は来週末らしい。

気が向いたら見に行ってみよう。気が向けば。

本日のコラムでした。

 

 

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7月 20th, 2025 by