ゲリラ豪雨の中を、新宿にて


先日、新宿でゲリラ豪雨にあった。

「バケツをひっくり返したような」

まさにそんな様相で、駅の出口には多くの人が立ちすくんでいた。

これほどまでに激しいと、傘はまるで役に立たない。

スマホを取り出し、アメッシュを見てみると「猛烈な雨」を表す不気味な紫色が新宿を覆っており、しかもこれから更に大きな「紫」が神奈川方面から押し上げてくる様子。

タクシー乗り場も大行列。

こりゃ、どうしようもないな・・・

お客様との約束の時間も迫っていたことから傘を手に駅を出たが、わずか数分の道のりで案の定ずぶ濡れになった。

靴の中にまで水が入りこみ、歩く度にタプンタプンという。

今まで何回も経験してきたが、いまだにこの不快感には慣れない。

客先に着いた時には、たった今海から上がってきたような有様で、流石にお客様に心配されたが、着替えがあるわけでもなし、このままでいるしかない。

コンビニで買ったタオルで拭けるところだけ拭き、お客様の会議室の椅子を濡らしてしまう非礼を詫びて、そのまま商談をした。

びしょびしょの状態で、あまりにも普通に話をするので、むしろ「プロ根性」をアピールできたようにも思うが、これからは簡易な雨合羽くらいは持ち歩かないといけないのかもしれない。

だが、後から知るとこによれば私の不運など物の数にも入らない「豪雨」であったことが分かった。

品川を流れる立会川が氾濫し、近隣では大規模な浸水被害が発生したとのことで、ニュースではまるで池に浸かったような街の映像が流れていた。

ゲリラ豪雨。

ウェザーニューズの調査結果からデータを借りると、2024年の夏(7/1~9/30:92日間)には全国で78,945回発生しており、つまり1日平均858回もゲリラ豪雨が日本全国のどこかで発生していることになる。

都道府県のランキングでは、1位は沖縄県の6,965回、2位は北海道の5,674回で、以下、福島県(3,813回)、長野県(3,105回)、鹿児島県(2,927回)と続く。

では東京は?と言うと1,049回で34位と、47都道府県の中ではむしろ「少ない方」

しかし、この回数には各都道府県の面積が濃厚に影響する。

当然ながら広ければ豪雨が発生する確率も高くなり、北海道などはその最たるものだろう。

これらを考慮しウェザーニューズさんでは

「10km四方ごとの回数」

というデータも公表してくれている。流石ウェザーニューズだ。

そのランキングがこちら。

1位 沖縄県   258回

2位 東京都  60回

3位 鹿児島県 44回

4位 長崎県  36回

5位 栃木県  34回

なお、このランキングでは北海道は6回と、全国で最も「豪雨が少ない」エリアとなっている。

沖縄(2,282㎢)は全国で4番目に、東京(2,200㎢)は3番目に「狭い」が、その狭い場所に豪雨を降り注いでいることが分かる。

沖縄に関してはゲリラ豪雨と言うより、南国特有のスコールであることが推測されるが、東京の60回はリアルなゲリラ豪雨だろう。

この60回は他の都市部(大阪府:20回、愛知県:28回、福岡県:28回)や、近隣の千葉県(20回)、埼玉県(25回)、神奈川県(24回)と比較してもだんとつに多い。

その理由としては、ヒートアイランド現象が挙げられる。

高度にコンクリート化された東京は街全体が熱をもっており、更にそこに空調や自動車からの排気熱が加わることで発生する地表の熱が強い上昇気流を発生させ、積乱雲の発達を促すのだそうだ。

そこに最近湾岸エリアに乱立している高層マンションが海風を防ぎ、それどころか建物自体が壁となって風を上空に送ることで、それが積乱雲の「種」になっているというのだから、何とも始末が悪い。

大阪も名古屋も福岡も立派な「ビル群」だと思うが、その倍以上の「60回」という数値をたたき出す東京はけた違いの「都市」ということなのだろう。

 

1時間ほどの商談を終え、外に出ると雨はすっかり上がっていた。

シャツは生乾き、靴の中にはまだ水で湿っており、不快極まりない中、今度は雨後の猛烈な湿気が襲いかかる。

今度は大汗で再び服がびしょびしょになった。

「一体何なんだよ・・・雨かと思えば、今度は蒸し暑いし・・・」

新宿駅に行くと大雨でダイヤが乱れ、構内は人でごった返していた。

だが考えてみれば、よく出来ているな、とも思う。

熱くなり過ぎる、雨が降る、地表が冷える。

ゲリラ豪雨がブレーカーのように作動し、一定レベルを超えた街をクールダウンしてくれる。

そこにうごめく人間だけが右往左往しているが、そもそもこの事態はその人間が起こしたことでもあり、そういう意味ではまるで天罰のようでもある。

本日のコラムでした。

 

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9月 14th, 2025 by