4月になると街には新社会人が溢れます。
真新しいスーツを着て、慣れない通勤。これから始まる研修の日々は大変でしょうが、一生の友達となる同期と過ごす研鑽の日々はかけがえのないものです。
わずか数週間前までは大学のキャンパスを歩いていた子供たちが、社会という大海に出ていくわけですから、それなりの訓練が必要になりますが、そんな「稚魚」を早くも狙うシャチがいることを忘れてはいけません。
そうそれは、保険屋です。
本日は、保険の裏も表も知り尽くした私が、
「こんな保険屋には気をつけろ!!」
と題し、新社会人にアドバイスを送りたいと思います。
「歳をとってお金がないのは恐いよぉ、恐いよぉ~」
「病気になって保険適用外の治療を受けると数百万のお金がかかるよぉ~」
保険屋の中には、まるで稲川淳二のように空恐ろしい未来の話をする人がいます。
どんな人にもリスクがあり、それに備えておくことが大事ではあることは言うまでもありませんが、このタイプは些細なリスクを
北朝鮮の核武装並
の大きなリスクとして語ってくるので、未来は果てしなく暗いような気がしてきます。
結婚を誓った恋人が交通事故で亡くなる。
失意の中、ある日突然、吐血。病院で胃ガンが見つかる。
壮絶な闘病をしてなんとか復帰するが、治療のための借金がかさみ、更には勤めていた会社をリストラされてしまった。
今は生活保護で暮らしている。
思わず、
不幸すぎだろ!!
と突っ込みたくなりますが、こんな二流の韓国ドラマのような話を真顔でする保険の営業マン、セールスレディーもいるのです。
知識があれば、
「胃ガンの治療は保険適用。高額療養費制度を使えばそんなにお金かからないのでは?」
と言い返せますが「社会は恐ろしいところ。。。」と思っている新社会人には全てがリアルに感じてしまうかもしれません。
この手の怪談話が得意な人が保険業界には多いので気をつけましょう。
そしていざ保険商品の細かい話になると、内容を把握しておらず、
「何かあれば私がちゃんとフォローするから」
と、いきなり楽観的になるタイプが多いので要注意です。
「芸能人の〇〇がお客さん」
「君の会社の〇〇専務は20年以上の友人」
など、ビックネームを出して、自分をことさらに大きく見せるタイプです。
新社会人からすれば、自分の勤務先の偉い人と仲が良い、と言われれば何となくビビッてしまうでしょう。
しかし、蓋を開けてみると、
「ああ、顔は知ってるけど別に友達ではないよ(by偉い人)」
という程度のことが多いのです。
また、このタイプは風貌も押し出しが強く、右も左も分からない新社会人からすると
「アニキィ~!!」
と言いたくなる大物の雰囲気があります。
しかし、残念ながらそいつはアニキではありません。
ただの「大物風」のおじさんです。
「へー、凄いですね。じゃあ、僕は仕事があるので失礼します。」
と早々に退散した方が良いでしょう。
保険屋の中には、
「お前は落語家か!!」
と言いたくなるほど人情話がうまい人がいます。
大事な人が亡くなった時の悲しさ、夫婦や親子の別れのシーンを表情豊かに描写し、聞いてる人を引き込んでいきます。
「この保険はお父さんがお嬢さんのために残したものです。これで大学に通って夢を叶えて下さい。」
生前お父さんがおっしゃっていたことを告げると、娘さんは机の上に置いたあった保険証券を胸に抱き、
「お父さん、ありがとう。」
そう言って静かに涙を流しました。彼女はその後夢を叶えて立派な医者になったのです。
昔、ある人からこんな話を聞いて、思わず泣きそうになってしまいました。
文章にすると陳腐ですが、身振り手振りで話を聞くと本当に感動するのです。
ちなみに今はアフリカで医師として人道支援をしている、というオチでした。
ここまで来ると一芸と言えます。
ちなみに後日、全てが創作であることを知り、しばらくは人を信じることが出来なくなりました。
このような人情話は、保険の重要性を理解するために必要なエッセンスではありますが、この手の話が上手いからと言って良い提案が受けられるとは限りません。
新社会人の中には、人情話に感情を揺さぶられる
「この保険屋さん良い人かも」
とプランを丸投げしてしまう人がいますが、「ただの落語家だ」ということを認識しておかなくてはいけません。
話は話。プランはプランでしっかり検討しましょう。
さて、今回は「こんな保険屋には気をつけろ!!」というテーマでお話させて頂きました。
ちなみに、こんな話をすると
「でも、お前も保険屋だろ?お前はどのタイプなんだ?」
と突っ込まれます。
そうですね。。。私はこの3つ、全て出来ます。
相手によって使いわけるのです。だってプロだもん。
新社会人の皆さん。
社会に出ると覚えないといけないことばかりで色々大変だと思いますが、自分のお金のことや、社会保障制度、税金などのこともしっかり学んで下さい。
最低限のことを知らないと、保険屋だけでなく色々な人に騙されるだけ。
人の話を聞くことも大事ですが、自分の頭で考える方がもっと大事です。
それが出来るようになるまでは、入るなら最低限の保障(死亡300万、入院1日5000円くらい)を共済やネット生保で用意しておけば十分。
少々説教臭いオチになってしまった、本日のコラムでした。
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