2つのデータで見る日本の「格差」2024


日本の「格差」が広がっている。

ここでは2つの指標をご紹介したい。

まずはこれ。

1位 南アフリカ  27.70%
2位 ブラジル   21.50%
3位 コスタリカ  20.30%
4位 チリ     18.60%
5位 イスラエル  17.80%
6位 メキシコ   16.60%
7位 ブルガリア  16.50%
7位 エストニア  16.50%
9位 ルーマニア  16.20%
10位 ラトビア    16.00%

一体何のランキングがお分かりになるだろうか?

答えは相対的貧困率の「高い順」だ(2021年調査)

そして、日本が15.40%で11位に食い込み、12位 米国(15.20%)、13位 韓国(14.80%)と続く。

改めて言うが、ルーマニア、ラトビアの次、である。

ちなみに相対的貧困率とは、以下のように定義されている。

・ある国や地域における各世帯の「世帯所得」を計測

・その中央値を求め、その値の50%を「貧困線」とする

・全世帯に対して、それを下回る世帯の割合を「相対的貧困率」とする

2021年の調査での日本の「貧困線」は127万円となっており、つまり我が国の世帯のうち15.40%は「年収127万円以下」の生活をしているということ。

この貧困層の年齢層、性差別の内訳を見ると、以下のようになっている。

20歳未満 男性   8.1%
20歳未満 女性   7.7%
20-64歳   男性 22.6%
20-64歳   女性 23.6%
65歳以上 男性 13.4%
65歳以上 女性 24.5%

65歳以上の高齢者が全体の4割を占めてはいるが、労働人口にあたる20歳-64歳の男女ともに20%強存在し、貧困が前世代に広がっていることが分かる。

 

もう一つは「格差」を数値化するジニ係数に触れたい。

ジニ係数の計算方法は極めて複雑なのだが、数値は0~1の間で表され、1に近づければ近づくほど「格差」が広がっているとされる。

係数には「当初所得ジニ係数(以下、所得ジニ)」と「再分配所得ジニ係数(以下、再分配ジニ)」の2種類があり、前者はそれぞれの国民が得た収入の格差、後者はそれが税金や社会保険料として徴収され、国を経て再分配された後の格差の程度だ。

2021年の調査では、所得ジニは0.570、再分配ジニは0.381となっている。

この数値だけを聞かされても何のことやら分からないので、以下に過去のジニ係数の推移をまとめたものを載せた。

参考:厚生労働省「図表1-8-9 所得再分配によるジニ係数の改善の推移

再分配ジニはずっと0.36~0.38で推移しており、2021年の0.381は「やや高め」ではあるが、過去(2002年、2005年)には0.38を超えていたこともあるので、ブレの範囲内と言えるだろう。

対して所得ジニは右肩上がりで上昇しており、1990年の0.434と比較すると30%近くも高い。

このデータが意味することはつまりこうだ。

一人一人が手にする収入ベースでの「格差」は確実に広がっている。(所得ジニの上昇)

しかし、消費税の増税、各種控除の縮小(実質増税)、社会保険料の値上げ等により政府が所得を吸収し、それを低所得者に給付することで「再分配」され、格差は是正されている。

選挙前の恒例行事となっている「低所得者への現金給付」も、再分配ジニの安定という観点からすれば一役買っているということなのだろう。

多くの方の実感である「勝ち組、負け組がはっきりしている」、「税金、社会保険が高い」、「政府がばら撒いている」ということは、このジニ係数を見ても明らかというわけだ。

なお、そんな努力をしているにも関わらず、決して政府の再分配機能が高いとは言えない米国より「貧困率が高い」という現実がある。

 

なお、貧困率もジニ係数も3年毎に公表するようで、次回は2024年分を2025年に公表することになるだろう。

しかし、この3年で日本には大事件が起こっている。

そう、インフレだ。

そしてインフレは弱者を襲う。

ここ数年のインフレで資産家が持つ株や不動産、金は価格が上がるが、そんな資産など持たない貧困層はその恩恵にはあずかれないからだ。

むしろ、日々の生活コストが上がっていくので、手持ちの現金は減る。

結果、貧困率も上がり、上層と下層の差が開くことでジニ係数も高くなる。

私のような素人でさえそんな予測が成り立つが、さて、どんな数字が出てくるのか?

この国の「格差」は、もはや再分配では解決できないレベルにまで達している。

本日のコラムでした。

 

 

 

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12月 7th, 2024 by