元古巣(P生命)が大変なことになっていた・・・・


私の古巣であるプルデンシャル生命が揺れている。

相次ぐ不祥事によりホールディングスの会長が辞任。

金融庁から業務改善命令が出される可能性が高いらしく、なかなか悲惨な状況だ。

まずは、その「不祥事」とやらをざっと洗い出してみよう。

1 元社員が在職中から退職後まで顧客の金銭を詐取

2 現社員が顧客の金銭を詐取

3 元社員が転職先に顧客リストを不正持ち出し。それを営業活動に利用

などなど。

まあ「よくあるパターン」と言えばそうなのだが、1に関しては被害額が7億円を超えており、かなり報道もされている。

ちなみに、金銭詐取などはどこの保険会社でもある。

一昔前であれば、体面を気にする保険会社が補償をすることで示談にしていたが、今の時代はそうはいかない。

下手に隠ぺいすれば火に油を注ぐことになりかねず、発覚すればすぐに公表するようになった。

そのため最近、この手の事件を目にする機会が多いようにも感じるが、実際には「表に出てくるようになった」だけで、件数自体はさほど変わっていないようにも思う。

だが、昨今の不祥事発覚には別の要因がある。

それが本社からの「ダイレクト調査」だ。

保険業界の場合、エンドユーザーと営業マンが密接な関係を持つことが多く、そこに会社が介在しない。

そのため商談がブラックボックス化され、実際に何を喋っているのか、たとえそれが詐欺的な内容であっても会社は分からない。

と言うよりは何事かが起こっても「現場の営業職員のせい」と責任逃れ出来るので「敢えて」介在していなかったという方が正しいかもしれない。

ある大手保険会社の幹部は、

「現場で何を話しているかなんて怖くて知りたくない」

とはっきり言っていた。

だが昨今のコンプライアンス厳守の流れから、不祥事が発生すれば会社の管理体制を責められるようになった。

そのため、最近では営業マンを通さず、会社側がダイレクトに契約者に連絡する。

契約内容と説明内容に齟齬がないか?

しっかりとリスクの説明を受けているか?

何か別の商品を提案・紹介されていないか?

等々「商談の中身」を直接確認するのである。

契約の中からランダムに選び、これらの調査を行う会社が増えている。

結果、不正トークや、前述のような詐欺などがボロボロ発覚するようになった。

まさにパンドラの箱を開けてしまった。ということだ。

私自身、プルデンシャルで修業し、その後、乗り合い代理店(複数の保険会社を扱う)として独立した。

そのため様々な保険会社と付き合いがある。

その経験で言えば「プルデンシャルは結構うるさい」という印象を持っている。

古巣をかばうわけではないが、他の保険会社に比べると割としっかりしている。

それでもこの有様で、トップが引責辞任する羽目になっているのだから、他の保険会社の「実態」はどうなっているのか?想像しただけでも怖い。

とは言え、これらの一連の動きは非常に良いことだ。

営業マンの商談が可視化され「見られている」という意識が高まれば、不正は減るだろう。

どの業界でもそうだが、悪さをしているのはごく一部で、ほとんどの人はルールに則り仕事をしている。

なお、余談ではあるが、過去に耳にした事件で「それは凄い話だな」と思った詐取事件がある。

A生命に勤務するXを含めた数名が、顧客に「年利30%の良い投資がある」と持ち掛け数億円を集めた。

当然、集めた資金はまともな運用などはしておらず、過去の出資者への利払いや(ポンジ・スキーム)、Xたちの遊興費に充てられていたのだが、いよいよ資金が枯渇。

追い詰められたXらは、残った資金でFXに投資した。

当時は100倍などのレバレッジを効かすことが可能だったため、それらを利用し乾坤一擲の大勝負に。

結果、大勝ち。(ドルの大暴落が発生)

最終的には出資者に約束通りの資金を返金。

この段階で勤務先のA生命に全てが露見したのだが、出資者たちは30%ものリターンを得ていたため大満足しており、誰もXを責めない。

結局、Xらは懲戒解雇となったが、被害者がいない詐欺事件のまま終幕した。

もちろん「たまたま」だ。

だが、生保の営業マンというのは中途半端に金融をかじっているから始末が悪い。(銀行や証券の人間より圧倒的にアホだが)

運次第では資金を短期間で何十倍にも出来ることを知っているので

「人の金でいっちょ勝負してやろう!!」

と思う輩も出てくる。

冒頭で挙げたプルデンシャルの「元社員」も1999年に入社し、2011年に退職しているが、詐取には入社早々の1999年から退職後に逮捕される2023年まで、24年間も続けていたそうだ。

まさかこの期間中に、利払いも元本返金も一切していないということはないだろう。

だったら、もっと早期に発覚するはずだ。

実際、7.5億円を集めたものの、うち2億円は返金しているため、途中までは上手く回っていたのだろう。(一体何で運用していたのかは知らないが)

だが、基本的に頭が悪いので、最終的には負ける。

5億円も負けて逮捕。

キラリと光るダイヤモンド

私が入社した時のプルデンシャルのキャッチコピーだ。

国内生保に比べ、規模では負けるが小さくても輝く存在でありたい。

そういう意味だと教わった。

だが、外に出て分かったが、プルデンシャルというのは、今の世の中からあまり良くは思われていないようだ。

プルゴリラ、外資系ではない体育会系、金太郎飴(皆がぴしっとしたスーツにピカピカの靴+高い時計という同じ格好をしているため)

ネット上にあふれているプルの社風を比喩するこれらの言葉が、会社のある一面を表しているし、なるほどな、とは思う。

だが、そこで10年以上薫陶を受けた私としては、やはり愛着もある。

荒々しい社風であることは間違いなく、つらかったことも多いが、それでも楽しかった思い出も多い。

そして何より自分を育ててくれたことには感謝しかない。

その観点で言えば、一連の不祥事は本当に悲しい。

早々に膿を出し切り、昔の「輝き」を取り戻して欲しい。

本日のコラムでした。

 

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10月 19th, 2025 by