子供の『告げ口』は悪か?それとも進化か?


最近、4歳のムスメの『告げ口』がすごい。

・ママがチョコレートを食べていた

・幼稚園の〇〇ちゃんが、〇〇君のおもちゃを投げた

・バアバが〇〇を壊した

と逐一報告してくれる。

当然、父もその告げ口の対象となり、

・トトがお酒を飲んでいる

などと妻に報告が行くことになる。

まるで家の中にCIAがいるようで、家族の些細な『不正』に目を光らせているのである。

houkoku1

何だか告げ口女子のようで、

「お前、嫌われるぞ。。。」

と思わなくもないが、進化とも言える。



まず変化に気付く『観察眼』、さらには正確に報告する『能力』が培われたということ。

報告には、

・誰が、どこで、何を、という話の筋道

・言動、事象の時系列

・具体的な数字

・状況の描写

が必要とされる。

実際のところビジネスでも重要なスキルで、これをしっかり出来る人は案外少ない。

かく言う私も、過去に勤務していたIT企業、生命保険会社で上司から

「何を言っているか分からない。」

とよく言われていた。

そして、時を経て逆に報告を聞く立場になるが、そうなると当時の上司たちの気持ちが分かる。

何だか妙に長い報告メールを提出されても、

「何を言っているか分からない。。。」

ということが多々あり、困惑するのである。



その点、ムスメの告げ口(報告)は極めて簡潔で分かりやすい。

houkoku2

昨日、トトと一緒に買ってきたマカロンをママが夜中台所でムシャムシャ食べていた。

3個あって2個食べたから残り1個になった。

何故に妻が3個中2個も食べるという暴挙に出たのかはとりあえず置いておいて、前述のポイントが的確に表されている。

特に「ムシャムシャ」という描写で夜中に隠れて食べていた姿が想像できるのである。

こんな「報告」が子供に出来るのに、何故に大人になると出来なくなるのか?と考察せざるを得ない。

その大きな要因は「感情」だろう。

子供の報告には

「起こったことをありのままに伝えたい」

という気持ちだけで、そこに怒り、嫉妬、言い訳、承認欲求という感情が入らない。

houkoku3



反面、大人の報告には多分にそれが入る。

つまりは、自分は悪くない、自分は精一杯頑張った、もしくは自分だから上手くいったという、

「責めないで」、「褒めて」

の二大感情が入りまくるため、事実に霧がかかって本筋がつかみずらくなる。

過去の反省を踏まえて言えば、私の場合、後者の感情が多く

「俺だからこんな大きな案件になった。流石、俺」

と言わんばかりの報告(自慢)で、聞いてる方からすれば、

「凄いことは分かったから、で予算は?納期いつまで?」

という気持ちだろう。

逆に責められそうな話は「報告せずに握りつぶす」という手法を取っていた。

これは多かれ少なかれ皆あることだと思う。

しかし、子供にはそんな考えはないので、良いことも、悪いこともすべて報告してくる。

その中には「人のミス」の話も含まれ、それがいわゆる「告げ口」になるのだが、本人にはそんなことは分からない。

が、最近はやや感情が入ってくるようになった。

hihann

3個あって2個食べたから残り1個になった。

これが、

3個あって2個「も」食べたから残り1個になった。

と少々変わってきた感がある。

「も」という一文字には批判が含まれる。

「本当は自分のものだったのにママが食べ過ぎた」

という感情があり、つまりこれは完全な『告げ口』だ。

恐らくは今後この傾向はどんどん強くなり、自分に都合の良い感情が入りまくる、

「よく分からない報告」

になっていくだろう。

それもまた成長と思うしかない。

本日のコラムでした。



 

この記事が気に入ったら
いいね!しよう

最新情報をお届けします


8月 18th, 2017 by