終戦記念日と保険


みかづきナビです。

8月15日は終戦記念日です。

みかづきナビの事務所がある水道橋は靖国神社が近いこともあり、朝から機動隊員が検問を張り物々しい雰囲気です。

本日は意外と知られていない戦争と保険についてお話しを致します。

第二次世界大戦の終戦と日本の生保業界の発展というのは非常に関係があることをご存知でしょうか?

1945年の8月15日に日本は無条件降伏をしました。

国内はどこもかしこも焼け野原、インフラは壊滅し、食糧は致命的に不足していました。

これから国を再建しなくてはいけない!!

政治家、官僚、実業家。志のある人たちが一生懸命、良い国を作ろうと努力していましたが、何をしようにもいかんせん労働力が足りません。

若者や働き盛りの男たちが戦争でたくさん亡くなってしまったからです。

生保業界も深刻でした。戦前に活躍していた専門的な知識を持った人たちの多くは亡くなったり、海外に抑留されて帰ってこれなかったりと、とにかく人手が足りなかったんですね。

そこで大手の保険会社が目をつけたのが、「戦争未亡人」だったのです。

夫を戦地で亡くし、幼い子供をかかえた妻。その妻に生命保険の販売の仕事を斡旋したのです。



当時は今より「死」がもっと身近にありました。

戦争で家族を亡くす、それどころか空襲で自分も死ぬ目にあう。近い人間がどんどん死んでいく。そんな現実が1945年8月15日までは当たり前だったのです。

平和になったからと言っても「人間は死ぬ。簡単に死ぬ。」ということを身をもって知っている当時の人たちは、保険の必要性をわざわざ説かなくて痛いほども分かっていたのでしょう。

そのような時代背景の中で、小さな子供を背負った戦争未亡人が近所に生命保険を売りにいくのです。

これはもの凄い説得力だと思います。

細かい金融の知識や、商品の特性など分からなくても、夫を亡くし、子供を背負って一生懸命働くその姿、その存在そのものが保険の必要性を物語っていますし、お客さんからしても「大変だろう。少しでも力になってあげよう。」と思ったはずです。

この戦略が当たり、どこの生保も急成長していきます。

また、各社、戦争未亡人の雇用を積極的に行った結果、今の生命保険の販売=女性。つまり「生保レディー」もしくは「保険のおばちゃん」という構図が出来上がっていったのです。



余談ですが、戦前は保険販売は主に男性の仕事でした。世界的に見ても、今も昔も男性販売員の方が多いのです。国内でも一昔前に比べれば随分と男性が増えましたが、それでもこんなに女性比率が高いのは日本だけだと思います。

実はこのお話は、ある国内生保の重鎮と言われる80歳近い大ベテランの生保レディーからお聞きしました。

その方も、戦争でご主人を亡くし、家の近所にあったという生保の事務所の求人募集を見て、「仕事が出来るなら何でも良い」と生保業界に飛び込んだ、とおっしゃっておられました。

まさに子供をおぶって、必死に近所をまわって、時に宗教の勧誘と間違えらえて水をかけられる、それでも少しずつ少しずつお客様が増えてきたそうです。



小一時間ほどお話を伺ったのですが、当時のご苦労や、この仕事への覚悟をお聞きし、最後には恥ずかしながら涙が出てしまいました。「自分はまだまだだな。」と大いに反省もしました。

最近は「保険のおばちゃん」というと、「強引」、「保険のことを何も知らない」など、悪しき構造の象徴のように言われることもあります。もちろん問題がないわけではないですが、それでも先人たちがいて、今の保険業界があるわけです。

今から69年前。

戦争に負けて何もない国には、食べる物すらない人たちがいて、でもその人たちには守らないといけない家族と子供がいて、必死に、本当に必死に生きてきて、今の日本があるわけです。

やはり感謝。それしかないです。

戦中、戦後の人たちの苦労に比べれば、我々の日ごろの悩みなんて、本当に些細なものです。もっと世のため、人のために頑張らないといけませんね。

改めて、そう感じる2014年8月15日でした。

ちなみに。。。。先ほど出てきました80歳近くの大先輩、大ベテラン様。

60数年という半世紀以上の経験を持つ方は、話の内容だけでなく、その人が持つオーラと言うか雰囲気も半端じゃないんです。人間力ですね。

「こりゃ勝てないな。。。。」

と心の底から思います。

このような「レジェンド級」の生保レディーは各社に数人いて、取締役どころか、会長、社長でも頭が上がらないそうです。

そりゃ会長、社長が新人の頃、すでに彼女たちは社内で超有名なスーパーセールスウーマンだったわけですから仕方ないでしょうね。

うちの会社もまだ業界経験5年や10年そこらのやつばかりですから、まだまだ、先が長いです。。。。。



 

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8月 15th, 2014 by