今知るべき国債の格付け


参議院選挙が迫っている。(2025年7月)

今回、各党の主張を見るに政権与党の自民党は「一人あたり2万円の給付」

その他の野党のほとんどは「物価高」と「税収増」を背景に消費税減税を主張している。

その是非はここでは問わないが、今一つ知って欲しいことがある。

それが「国債の格付け」だ。

まずは各国の国債の格付けを見てみよう。

以下は債権の格付け機関として世界最大手のS&P(スタンダード&プアーズ)のもの。

AAA(債務を履行する能力は極めて高い。最上位の発行体格付け)

ドイツ、オランダ、ルクセンブルク、オーストラリア、スイス、デンマーク、スウェーデン、ノルウェー、シンガポール、カナダ

AA(債務を履行する能力は非常に高く、最上位の格付け(「AAA」)との差は小さい)

アメリカ、ニュージーランド、フィンランド、オーストリア、アイルランド、韓国、香港、イギリス、チェコ、ベルギー、フランス

A(債務を履行する能力は高いが、上位2つの格付けに比べ、事業環境や経済状況の悪化からやや影響を受けやすい)

日本、中国、サウジアラビア、エストニア、マルタ、リトアニア、スロバキア、ポルトガル、ラトビア、ポーランド、スペイン、クロアチア、キプロス

BBB(債務を履行する能力は適切であるが、事業環境や経済状況の悪化によって債務履行能力が低下する可能性がより高い。)

ブルガリア、イタリア、インドネシア、メキシコ、ハンガリー、ギリシャ、インド、ルーマニア

BB(より低い格付けの発行体ほど脆弱ではないが、事業環境、財務状況、または経済状況の悪化に対して大きな不確実性、脆弱性を有しており、状況によっては債務を期日通りに履行する能力が不十分となる可能性がある。)

ブラジル、南アフリカ、トルコ

以下、Bにエジプト、CCCにアルゼンチン、SD(一部債務不履行)にロシアがランキングされている。

なお、AAA(トリプルA)以外のAAやA、BBBなどにはそれぞれ中で「+」と「-」があり、同じカテゴリー内においての相対的な強弱を表している。

たとえば日本はA+とされているため、Aのグループの中では「評価が高い方」ということになる。

だが、この「A」のグループのメンバーを見てもらえば、このグループ自体が決して高評価ではないことが分かる。

Aの国々を再掲する。

日本、中国、サウジアラビア、エストニア、マルタ、リトアニア、スロバキア、ポルトガル、ラトビア、ポーランド、スペイン、クロアチア、キプロス

キプロスの国債買いませんか?

そう言われて「いいね、買う、買う」という人がどれほどいるだろうか。(キプロスの方々、例にあげてしまい申し訳ありません。)

またスペインもポルトガルも2010年代の前半に財政破綻危機を迎えていた国であり、つまり日本はそれらの国々と「同じ評価」だということ。

もちろんこの評価自体に賛否はある。

共通通貨であるユーロ圏の国々と、自国通貨の発行権を持つ日本とを同列に論ずることがおかしい。かつ日本は国債のほとんどを「国内消費(国内の金融機関が購入)」しているため問題ない。

などと言う主張で、これ自体はそれなりに説得力がある。

特に後者は日本国債の強みとも言えるのだが、しかし、足元ではその事情も変わってきている。

それが5・20ショック

2025年5月20日に売り出された20年国債の売れ行きが悪く、自慢の「国内消費」に陰りが見えてきている。

確かに税収(収入)も増えてはいるが、支出も増えており、結局のところ今でも「足りない分」は国債で賄っている。

ちなみに2025年度の新規国債発行は28兆円と、2008年以来17年ぶりに30兆円を下回り、これは税収増の影響だろう。

しかし、それでも「新規発行を数兆円減らしただけ」であり、国債の残高は増え続けている。

前述の通り、現状、日本国債はA+であり、仮に格付けが下がったとしてもまだ下には「A」、「A-」がある。

流石にいきなりBBBに落ちることはないだろうから、当分はAを維持出来るのだろうが、日本国債が格付け機関やマーケットから厳しい目を向けられていることは間違いない。

もちろんこれらの話は国債の格付けという「ある一面」を捉えているだけだが、事実ではある。

そして、この分野において未来は明るくない。

仮に格付けが下がり続ければ、金利は上がり、円は更に下がり、国民生活に良いことなど1ミリもないのだから。

で、こんな状態であるにも関わらず、政治家の先生たちは「ばら撒く」ことを止めようとしない。

本日のコラムでした。

 

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7月 12th, 2025 by