NHKの大河ドラマ「真田丸」
いよいよ最終回となりました。
真田信繁(幸村)の活躍を軸に、父、昌幸。兄、信幸。
そして豊臣秀吉、徳川家康、石田三成などの魅力的な人物が、三谷幸喜さんの脚本で活き活きと描かれ、とても見ごたえのあるドラマだったと思います。
さて、本日は外資系生保で11年、セールスのプロフェッショナルを自認する私が、
セールスにおけるキーマンの見分け方
について、真田丸の登場人物を例にご説明致します。
上杉景勝 & 直江兼続
上杉家の上杉景勝と直江兼続。
ドラマの中では主人公真田信繁の支援者として、色々なところで力になってくれようとするが「いまいち役に立たない上杉景勝」と、出来る範囲で力を貸してくれる直江兼続というような描かれ方をしています。
実際、中小企業でもこういう会社は結構あります。
社長が格好つけで、景気の良いことを言いますが、実際の権限はなく、ほとんどが空手形。
しっかり者の常務さんが裏で会社を取り仕切ってる、という形態です。
このような場合のキーマンは当然ながら直江兼続です。
事前に直江常務としっかりと調整を行っておいて、ビジネスの内容はほとんど決めておきます。
しかし、上杉社長を無視して、後でヘソを曲げられても困るので、A案、B案、C案の3つを用意し、最後に上杉社長に決めてもらうのが良いでしょう。
A案 プランそのものにあからさまに欠点がある
B案 コストが高い
C案 プラン、コストともにバランスが良い(本命案)
とでもしておいて、「我々では決めかねるので殿のご採択を」という形を取るのが望ましいです。
上杉社長は頭は悪くないので、当然C案を選び。「流石、殿!!」と持ち上げれば、コトはうまく運びます。
豊臣秀吉 & 石田三成
圧倒的な人間的魅力で君臨する秀吉と切れ者三成。
ビジネス界で言えば一代で急激に大きくなったベンチャー企業のようで、ソフトバンクを連想させます。
実際、ソフトバンクには三成っぽい人が沢山いそうです。
ここでのキーマンは両方です。
どちらの機嫌を損ねてもビジネスはうまくいきません。
まず秀吉社長に大枠の合意を取り付ける、その後、細かい部分は三成常務と詰める。という形になるでしょう。しかし、三成常務にはコスト面で相当ギリギリやられそうです。
そのような時、秀吉社長に条件緩和を願い出るか?そのまま厳しい条件を飲むか?これは賭けです。
「おみゃーの言うことももっともだ。佐吉、少しは手がけんしてやれ」
と言ってくれるか
「石田治部の言うことはこの秀吉が言うことぞ!!」
と凄まれるかは、その時の機嫌次第です。
秀吉社長は心の根底では業者などどうでも良い。と思っているので、機嫌次第ではその場でばっさり斬られます。
また良い結果になったとしても秀吉に告げ口したことで、三成常務の恨みを買い、その後のビジネスはうまくいかなくなるでしょうから、当初は厳しい条件を飲んでおいた方がベターです。
しかし、秀吉社長、三成常務、両方と良い関係を続けていけば「秀吉枠」に入れる可能性があります。
これは社長決裁とでも言うべき枠で、三成常務と言えどもノータッチです。
ベンチャーで言えば馬主や球団買収などがこれにあたります。
秀吉社長の趣味と名誉欲をくすぐる商材を持っていれば、この枠にもぐりこめる可能性が高いです。
徳川家康 & 本田正信
虎視眈々と天下を狙う「食えない」家康とそれ以上に食えない本田正信。
まるで老夫婦のようで、まさしく組織の両輪。
このような企業も歴史の古い会社に多いように感じます。
ここでのキーマンも秀吉&三成同様に「2人とも」となりますが、やや本田常務の方に重きを置いた方が良いでしょう。
2人とも感情で判断をすることがないので、考え方はほぼ同一。
どちらかが「うん」と言えば、それが覆ることはなく、それであれば実務に近い本田常務を口説いた方が確実です。
ただし、このような企業とビジネスをする場合は「旗色を鮮明にする」ということが大事です。
つまり「私は徳川商事のお味方です。同業他社とは取引しません。」と誓紙を出すことです。
身内意識が強いので、仲間と認められればおいそれと切られることはないでしょう。
また他社(他家)の情報を提供することも喜ばれます。
この際、「〇〇が弱っている」、「今がチャンス」などの自分の主観を入れるような情報はマイナスです。
家康社長や本田常務のような古狸タイプは「自分が全てをコントロールしている」という感覚なので、
「お前の感想は聞いていない。事実を教えろ。判断するのは俺だ」
という意識が強いのが特徴です。
あくまで諜報員に徹し、具体的な数字やありのままの事象を報告すると「使える奴」と思ってもらえる可能性が高く、それがそのままビジネスの総量に繋がります。
食えぬ相手ながら、貸し借りがはっきりしているので、ビジネスとしては「やればやっただけ返してくれる」でしょう。
真田信繁
最後に主人公 真田信繁こと真田幸村に触れておきましょう。
はっきり言っておきますが、彼はキーマンにはなりえません。
何故なら決定権がないからです。
当初は父昌幸。中盤は秀吉。後半は茶々とその時々のボスに翻弄されっぱなしです。
自ら決めたことを上に覆されることも多く、何とも頼りがいがありません。
ただ人柄も良く、優秀で義理固いため、何となくこの人をキーマンだと思ってしまうビジネスマンも少なくありません。
実際の現場でも、このような現場の課長や部長に一生懸命に話をして、最後の最後に先方の上層部の一存でダメになる。ということがよくあります。
「そもそも決定権のある人間と話できてるのか?」
と上司に怒られるパターンです。
また派閥を見る目がなく、常に負け組についてしまうため、このような人とビジネスをしていると最後に痛い目を見ることになります。
真田丸の中の信繁は大変魅力的な人物ですが、現実社会の信繁には近づかない方が無難です。
以上、真田丸を例にビジネスでのキーマンとの接し方を解説致しました。
本日のコラムでした。
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