中学受験、塾選びで全てが決まる!! 父の逃亡宣言


21を言ったら負け。

そんなゲームがある。

2人で1から21までの数字を言い合うが、一度に数えられるのは3つまで。

相手に21を言わせるためには、自分は20を言えば良い。

その20を言うためには16を言う必要があり、更に16を言うためには・・・

うちの娘は現在、小学校3年生。

ある日、妻がこう言う。

「あのね。中学受験するなら、そろそろ塾選びをしなきゃいけないらしくて、通うのは4年生からでも、雰囲気を見るために3年の夏期講習には参加しておいた方が良いみたい」

曰く、「3年の夏期講習が楽しかったから」という志望動機が、4年の入塾試験に「効く」とのことで、このあたり、就職活動のインターンに似てなくもない。

インターンでは金を「貰える」が、夏期講習では金を「払う」、その意味では大きく違うが。

で、塾選び。

私のお客様はお子さんを中学受験させていた方が多く、その苦労話はかねてより聞いていた。

しかし、「どこに受かった」ということは知っていても「どこの塾に通っていたか?」ということまでは知らない。

そこで、何人かの方にお話を聞いてみた。(東京エリアの話)

皆が「最高峰」と言うのは、通称「サピ」のSAPIX。

そしてそこから派生したGnoble。

しかし、サピの基本方針は、

「最難関校を目指す子しか相手にしない」

という校風で、GMARCH(学習心、明治、青山、立教、中央、法政、広義では上智、東京理科大なども含む)の付属校狙いなどは「ふん」という感じらしい。

一様に「冷たい」と言う方が多い。

Gnobleはサピほどではないが、本質的には「なるべく最難関校を」というところで、やはり敷居は高い。



次のグループとして、通称「早稲アカ」の早稲田アカデミー、そして私の世代にとっては、最高峰だった四ツ谷大塚など。

こちらは逆に付属校狙いの子が通うことが多いようだ。

そして原則「どんな子にもチャンスを与える」と広く門戸を開いているのが、日能研、啓明舎など。

授業料もおおむね、この順番で安くなる。

他にも個人指導、公立専門など、多種多少な塾が存在する。

もちろん、通っている塾のグレード=子供の学力、ではない。

勉強など、所詮は個人の努力だから、良い塾(高い塾)に行ったからと行って、良い学校に受かるわけでもないし、高いレベルの塾の底辺よりは、低いレベルの塾のトップの方が、当然ながら出来は良い。

だからこそ、受験経験者の親の皆がこう言う。

「その子の個性にあった塾に入れることが重要。塾選びでほとんどが決まる。」

と言うことは・・・

逆説的に言えば、今の塾選びでほぼ結果が決まることになるではないか・・・・

んなバカなことねーだろ!!と言うと「いやマジでそうだから」とマジな顔で返される。

他にも

・とにかく家の近所が良い or 良い塾なら多少遠方でも通わせるべき(ん?どっち?)

・塾以外の習い事は早めに辞めさせる or 息抜きで続けさせる(だから、どっちなんだよ!!)

・親がなるべく関与せず「塾に任せて」というところの方が良い or 塾と子と親と役割を分担して受験に挑めるところの方が良い(キャー!!!!!もう分かんないッ!!) 

などなど、4,5人に話を聞いただけだが、もうお腹一杯になってしまった。

更には複数の方から

「『2月の勝者』(中学受験の塾の話)という漫画を読め。中学受験の全てがそこに書いてある」

と言われたので、早速購入したが、冒頭2ページ目にこうあった。

中学受験とは・・・

父親の経済力、そして母親の狂気

静かに本を閉じた。

その日の夜、世界が終わる夢を見た・・・

小便に3回も起きてしまった・・・・

このような情報の渦の中、私の結論が出る。


妻に任す

以上。

「まあ、あれだ。母、娘で何か所か見てきてさ、その中で『これだ!!』ってところにしたら良いんじゃないの?でも高ければ良いってもんでもないからねー、コスパ?そうコスパだよ。お値段以上のニトリ的な塾をさ探してきてちょーだいよ!!って感じでバーイ、センキュー!!(とんねるずから引用)」

世の教育ママさんの歯ぎしりが聞こえる・・・そんなコメントを遺し、塾選び戦線から父は姿を消した。

だって「塾選びが全て」なんでしょ?

そんなん怖くて関与出来ないよ・・・

だが、将来、娘の成績が伸び悩んだり、勉強を巡って妻と娘が喧嘩している時などには、おそらくこう言いたくなるだろう。

塾選びがまずかったんじゃないの?

と。

人に任せて、後から文句を言う。私にはそういうところがある。

そうなれば妻は当然激昂するだろうし、そういう夫婦喧嘩が子供の一番のストレスになる。

そういう意味では、この文章、

「私は逃げました。以後、異論ははさみません」

という公正証書的な意味合いを持ち、更には私自身、何か言いたくなった時には、これを読み直して自戒。

以後、経済担当大臣として政権を支える決意である。

 

ちなみに冒頭の「21」

突き詰めると、4を言った方が勝つ。

小学校「4」年生の塾選び。

それが中学受験、しいては大学、就職と言った将来の勝敗を決める。

そんなことを暗示しているようでもある。

もちろん人生はそんな単純なものではないはずだ。

それでも、それを信じたいのが親というものなのかもしれない。

もちろん私も含めて。

本日のコラムでした。

 

 

 

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6月 12th, 2021 by