SMAPの分裂騒動が連日メディアを賑わせています。
職業柄、中小企業の内情の話ばかり聞いている私が独断と偏見でこの騒動を分析してみたいと思います。一部妄想ですので、あしからず。
今回の背景には
「SMAP育ての親である飯島マネージャーとメリー喜多川さんのお嬢さんであるジェリー藤島さんとの後継争い」
があると報道されていますが、正直これは的外れだと感じます。
ネット上にあるジャニーズ事務所についての企業概要をまとめると、
売上高 700億円
経常利益 72億円(2004年の法人申告所得より)
注:ちなみに芸能事務所ではダントツの1位。
2位が劇団四季の47億。5位 吉本興業 26億円の「3倍」。いずれも2004年のデータ
株主構成
60% ジャニー喜多川社長
20% メリー喜多川副社長(姉)
10% ジェリー藤島副社長(メリー喜多川副社長のお嬢さん)
10% 伊豆喜久江氏(社長秘書)
こんな感じのようです。
「のようです」と曖昧にしか言えないのも
「ジャニーズ事務所の閉鎖性は業界でも有名」
で、当然、帝国データバンクなどの調査機関にもデータは一切ありません。
そのため、上記の売上高や株主構成はあくまで推測の域を出ませんが
「株主を身内で固めている」
というのは恐らくその通りではないかと思います。
芸能事務所の場合、「テレビ局」や「広告代理店」に株を引き受けてもらうことが多いようですが、株主になれば「出資者」として外部の人間が財務指標を見ることになり、いくら厳しくかん口令をひいても、人の口に戸は立てられず、売上高くらいは調査会社が掴むはずです。
売上すら推測の情報=一部の人間しか決算書が見れない=株主が少ない(身内しかいない)
という構図ではないかと思います。
そしてジャニー喜多川社長にはお子様がいらっしゃいません。
この株主構成が事実に近いならジャニーさん、メリーさんの死後はジェリー藤島副社長が株の大半を相続し、過半数以上を所有する大株主になることは確実です。
会社における株主の力は絶対です。特に過半数を持っていたら最強です。
飯島さんがジェリーさんに対抗するのは「ジャニーズ事務所」の枠の中ではそもそも無理なのです。
なので後継争いというよりは「将来の禍根の芽を摘まれた」というのが正確なとこではないかと思います。
というのは、
初代の部下の実力者 vs 二代目
という構図は、中小企業においてよく見られることだからです。
弊社のお客様には初代(創業者)、二代目、三代目。最も長いと創業130年で現在七代目など、色々な方がいらっしゃいますが、個人的な感想としては「二代目が一番難しい」と感じます。
日本人は元々持っている意識として「家系を尊ぶ」という血への信仰が強い傾向がありますから、会社も三代くらい続くと、
「一族の直系が社長」
これが組織運営の前提条件になっていて、実務は番頭さんが取り仕切り、社員も「株式会社〇〇」ではなく「〇〇家」に勤めているという意識になります。
しかしここまでの体制と信仰が出来ていない二代目というのは常に「偉大な初代」と比較され苦労するケースが多いのです。
初代は創業者ですから「天才肌」で「豪腕」な人が多く、ジャニーズ事務所で言えば、ジャニーさんとメリーさんがこれに当たります。
そしてそんな初代の部下もなかなかの曲者が揃います。
会社が小さい頃に入ってきているので「自分達が会社を大きくした!!」という自負、そして初代の強烈な薫陶を受けているので、野心があって仕事が出来る人が多いのです。
また初代と二代目、2人を間近で見ているので二代目への「物足りなさ」も感じています。
二代目の方もそんな空気を察し、先代の部下を「使いにくいスタッフ」と認識するわけです。
ここに軋轢が生まれます。
構図としては三代目でも四代目でも同じようなことは起こり得るのですが、「初代と一緒にゼロからやってきた」というプライドは別格で、とにかく二代目はこれに苦労させられる。とよく聞きます。
話は一気に戦国時代にタイムスリップしますが、歴史好きな人たちの間では
何故、豊臣政権は短命に終わり、徳川政権は長期だったのか?
という議論があります。理由の一つに
「家康には代々の子飼いがいたが、一代でのし上がった秀吉にはおらず「豊臣家」への忠誠心が薄かった。そのため秀吉の死後は部下(加藤清正とか)たちが自分の保身に走り、そこを家康につけこまれた」
と言われています。
これも「二代目の難しさ」を実証しています。
秀吉の下、「完璧に従順な演技」を通した家康は、秀吉の死後、牙を剥き徳川幕府を開きます。
中小企業でも、初代の死後に実力者が優秀なスタッフを引き連れ「会社を割る」ようなケースは少なくありません。
前述の通り株主構成から言ってジェリーさんに対抗できる人はいませんから、飯島さんからしても生き残るためには、遅かれ早かれ会社を割るしかないのです。
自分達の死後、家康を出さない。
SMAPというビックコンテンツを犠牲にしたとしても、10年後のことを考えれば優れた判断なのかもしれません。企業経営は綺麗ごとでは済まない。そう感じます。
しかし、そもそも700億円の大企業。世襲にこだわるのもどうなのか?と思いますが、それもまた初代の業なのです。
この記事を読んだ方はこの記事も読んでいます。
ベッキー報道に見るコメンテーターの「納得力」
メッシ。ネイマール。サッカー選手の「足保険」の裏側
「アンパンマン」に「セイホマン」がいたら
外資系生保 先輩からの珠玉の一言
外資系生保を北斗の拳に例えると
保険あるある
ベンツ?BMW?乗ってる車で分かる 接待のお店の選び方
社会保険が高すぎるんだよ!!バカヤロウ!!
ご主人のおこづかいを減らす最強交渉術!!
この記事が気に入ったら
いいね!しよう
最新情報をお届けします