10分で寝れる「考えない技術」を考える


仕事柄、よく他人様の悩みを聞く。

なかには「悩みすぎて、夜眠れない」などと言う人もいるが、残念ながら「悩み」の90%に解決策はない。

嫌いなアイツが改心することもなければ、お金は湧いてはこないし、老いを防ぐことも、困難な病気を治すことも不可能だ。

そういう意味で、悩みの90%は

考えても無駄

とも言える。

それでも人間はグジグジと考えてしまう生き物であり、もちろん私自身もそう。

生命保険のセールスという「ストレスの塊」のような仕事に身を投じてしまったので、若い頃は、夜になると悶々とし、朝まで眠れない経験をしたこともある。

しかし、これとて

「やるだけやる」

という結論以外なく、考えても何の意味もない。

そこである時から「考えない技術を身につけよう!!」そう思いたった。

この「考えない」

情報過多の現代においては、マインドフルネスなどという言い方もされ、最近注目を集めているようだ。

具体的な方法として、瞑想や座禅、写経、ヨガ、呼吸法などが取り上げられるが、18年間研究を続けてきた私からすれば、こう断言できる。

全く効果はない

と。



瞑想や呼吸法などは「頭の中を片付ける」という引き算的方法だが、このアプローチだと片付けたそばから情報が再生産され満杯になってしまう。

逆に「足す」方が良い。

それが私の結論だ。

引くのではなく、更に情報を足して「上書き」してしまうイメージ。

イマイチ伝わっていないようなので、具体的な例を挙げる。

まず、頭の中に自分の「理想郷」を作る。

あくまで私自身が描いている「イメージ」の話だが、ビジュアル的にはこんな↑島だ。

この島には、欲しいものを想像しただけで「ポンッ!!」と出てくる秘密道具(ドラえもん的な)があり、誰もが自分の望む容姿に「変身」できる魔法の湖がある。(ディズニー的な)

お金も存在しなければ、美醜による差別もない。

この島には100人くらいの住人が住み、日々楽しく暮らている。

私はこの島を「アイランド」と呼んでいる。

他にも細々とした設定があるのだが、そこまで開けっぴろげにするのは照れるので、ここでは紹介しないでおくが、要は私の欲望の全てを詰め込んだ理想郷だ。

とにかく「リアルに」が重要で、島の中にあるものは、それに触れれば質感まで分かるくらい細かく創造している。

ちなみに私は30歳くらいの時

「アイランドを絵にして、いつでも眺められるようにしたい!!」

そう思って、プロの画家に頼んだことがある。

まずは口で説明した構想をラフな下書きにしてもらって、細かい修正を繰り返したその絵は、半畳以上の大きなもので、額縁込みで30万円もかかったが、今でも寝室に飾り、時折眺めている。

ちなみに、それを持ち帰った日、妻からは

「こ、こんなもんに、さ・・30万・・・」

と呆れられたが、それくらい凝った「世界観」を持つことが重要だ。

毎夜「さあ、アイランドへ行こう」とベットに横たわるとあら不思議。

それまで考えていた些細な悩みなどは頭の中から消える。

消える、というよりは、アイランドの中でやることが多すぎる。

つまり、この島では私は創造主であり、大統領でもあるので、意外と忙しいのだ。

なお、島には私の相談相手となる「7人の友人」がいて、島の運営に関わることは彼ら、彼女らと話をして決める。(数人の美女含む)

時には反対意見もあり、激論になる。

こんなことをしていると、他のことを考える余裕がない。

頭の中が「上書き」されてしまう。

この方法を思いついてからは、どんな悩んでいても10分で寝れる。

もちろんこれは私の場合であり、シチュエーションは人によってアレンジすればよい。

何が言いたいのかと言うと、「考えるな!!」と言われても人は無意識のうちに色々と考えてしまうので、であるならより強烈な「考えるべきテーマ」を与えた方が、結果的に心を消耗するような(さらには解決策がないような)ことを「考えずに済む」ということ。

そして、その新たなテーマは思いっきり奇想天外で、自分が楽しめるものが良い。

で、この話には続きがある。



今から7,8年前のことになるが、ある経営者の勧めで、

潜在意識を引き出す

というセミナーに参加したことがある。

確か5日で20万円くらいだった。

はっきり言って「怪しいな」とは思ったが、そのセミナーの講師が私の発見したアイランドと「全く同じこと」を言っていたことに驚いた。

頭の中に自分が快適に過ごせる空間を作り、そこに心を許せる友人(相談相手)を置く。

そこでの会話が、潜在意識から発する「心の声」であり、自分を未来へと導いてくれる。と。

そう言われてみると、私の「アイランド」内での会話も、実は現実社会で悩んでいることが反映されていることが多いような気がした。

ある時、島の中で

アイランドの住人が外の世界へ出たと希望した際、どうするべきか?

という議題が持ち上がったが、外の世界の汚さを知る私としては、

「ここは理想郷。ずっといれば良いじゃないか・・・」

と主張した。しかし、前述の7人の友人たちの過半数以上が反対。

「ここの価値は外の世界を知って始めて分かる」

「出たいなら出すべき。そうでなければここは独裁国家と同じ」

「1mでも1万kmでも心は繋がっていれば同じ」

「いつでも戻りたい時に戻れる場所を作っておくことが大事」

これらの意見を聞き「なるほどな」と思い、結果「渡航・出戻り自由」ということにした。

これなども、歳を経て多くなる家族や友人との別離に対しての「潜在的な不安」が反映されいるのだろう。

そう思えば、現実の悩みが「形を変えて」現れているだけとも言えるが、現実社会を反映しない「アイランド(絶対安全世界)」で、自分自身の中に内包する寛容/不寛容・怒り/悲しみ・慈愛/嫉妬・正義/悪など、様々な感情を代弁した「7人」と対話することにより、何かしら結論めいたものを得ている。

で、いつの間にか寝てしまい、気づけば朝だ。

と言いたいところだが、最近では加齢のせいか、夜中にションベンで起きてしまう。

これを防ぐ手立ては今のところない。

流石の「アイランド」も生理現象までは止められないようだ。

以上、これが私の「考えない技術」を考えた結果となる。

本日のコラムでした。

 

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8月 3rd, 2021 by