コロナで増える「アマチュア」当たり屋


先日、発生したお客様(50代 男性)のトラブル。

自宅近くのドラックストアの駐車場、バックで車を停める際、ほぼ車が停止した瞬間に、物陰から30歳前後の男性が出てきて「ぶつかった!!」と言われたそうだ。

しかし、なにかがあたったようなショックもなく、当然、車に凹んでいるようなところもない。

「えっ?あたりましたか?」

と言うと、相手はものすごい剣幕で怒鳴りはじめる。

しかし、警察を呼ぼう、と提案しても「忙しい、面倒」と言うばかり。

暗にその場での示談金を求めているような態度で、どうやら当たり屋のようだ。

結局「もう良い!!ふざけるな!!」と吐き捨て、去っていったので、それで済んだのかと思いきや、数日後、警察から

「被害届けが出ているから現場検証をしたい」

との連絡があった。

そこで私に「どうしたら良いか?」と相談があったわけだが、アドバイスは以下の通り。

・ぶつかったかも?など、曖昧なことは一切言わず「ぶつかっていない」と正々堂々と主張するべき

・警察には相手から、暗に金銭を要求されたことも話す

・だが「現実問題」として、逆恨みも怖い。特に今回は自宅近くでもあるので、待ち伏せやイタズラなどをされても馬鹿らしい。

・相手の言い分を認め、保険(自動車保険)を使うことも解決策の一つ。

もちろん自動車保険を使ってしまうと等級が下がり、それから数年は割増された保険料(本来払わなくて済む保険料)を支払わなくてはいけない。

心情的には納得できないが「当たっていない」と主張しても証拠がなければ警察は歩行者有利な裁定をするので「大人の解決策」としては致し方ない部分もある。

野良犬に噛まれたような話だ。

なお、現場検証に現れた自称被害者は「事故当日の100倍くらいの勢い」でこちらを罵り、立ち会った警官を辟易とさせる。

お客様も、こんな者とは関わりたくないと判断し、保険会社に連絡。

結局、交渉は保険会社に任せることとなった。

実は、最近「当たり屋」が増えている。

職業的なプロの当たり屋というのはいつの時代にもいるのだが、コロナにより生活に困窮したアマチュアがプロの真似事をしているのである。

今回のお客様の件も、おそらくはアマチュアであり、これが何とも厄介。

プロの場合、まずターゲットをかなり絞る。

一番標的にされやすいのはタクシー。

事故を起こすと、会社の内規で車に乗れなくなってしまい、収入が減る。

そのため「その場で数万円の示談」に応じやすいのである。

次に多いのが若い女性や、子供を連れたお母さんなど。

恫喝が効きやすく、最近では、仲間が「目撃者」を演じることもあり、それら複数の男性がドライバーを囲み、パニック状態にする。

そこに

「警察を呼べばお互い面倒、保険を使えば保険料が上がるよ?」

などと言葉巧みに言い、示談を引き出す。

また、なるべくドライブレコーダーが搭載されていない車を狙ってくるので、このあたり流石はプロである。

もちろん全く褒めていないし、人間のクズではあるが、クズはクズなりの「ルール」があるので、まだ対応しやすい。

そのルールとは、

徹底して警察、保険会社を避ける

ということ。

プロの場合、警察や保険会社に身元を知られることを一番嫌う。

一度データベースに登録されてしまえば「仕事」がやりずらくなるからだ。

そのため、警察を呼ぶと「急いでいるので」とか言って去ってしまう。

だからこそ、プロ相手の対応策は「何を言われてもすぐに警察を呼ぶ」ということに尽きる。

プロなら絶対に逃げる。

しかし、アマの場合、その場で現金を得られないとなると、正式な「事故」にして、保険会社から補償(通院補償や休業補償)を引き出そうとする。

実際には怪我などしていなくても、病院に行くだけで毎回数千円が支払われるし、前月までの収入に応じた休業補償もあるので、失職や、休職などをしている立場からすれば「おいしい」のである。

警察や保険会社に登録されても「1度や2度ならバレない」と高を括って、開き直っているので、警察や保険会社にも強気に出る。

また日頃の鬱憤を晴らすためにやたらと大声をあげたり、妬みから、あえて高級車などをターゲットとするという特徴もある。

これらのことからも、今回の当たり屋は「アマ」だと思うのだが、正直、このタイプには打つ手がなく、悔しいが保険を使うしかない。

が、保険会社は甘くない。

最近ではAIを駆使して、不正請求を炙り出しているので、2回同じことをやれば高確率で発覚する。

また、これらのブラックリストは保険会社間で共有されているので、結局のところ「いつかは」重いペナルティ(警察への告発など)を負うことになる。

「アマの当たり屋」

コロナ禍が産んだ鬼子のようなもので、いつ、どこで遭遇するか分からず、気の付けようもないが、そこまで追い詰められた背景を思えば、ある種の憐れみを感じなくもない。

バカな行為で命を落とさなければ良いのだが・・・・

本日のコラムでした。

 

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8月 22nd, 2021 by