利上げのデメリットばかり強調されるのでメリットをほんのちょっとばかし・・・


いやー、驚いた。

黒田総裁、引退前、最後のバズーカ

利上げ

まさかこのタイミングで来るとは思わなかったが、金利の頭を抑えつけるのももう限界ということなのだろう。

で、早速、利上げ悲観論が噴出している。

と言うか、最近のマスコミは是々非々論がなく、何事も悲観論しか語らないので、見ていても暗くなるしかない。

曰く、

・住宅ローンの金利が上がり、返済不能になる人が出てくる

・低金利で何とか凌いでいた中小企業がバタバタ潰れる

・日銀の利払いが増えるので財政がヤバい

とのこと。

まあ、どれもその通りだと思うが、利上げは何も悪いことばかりではない。

本日はその点を論じてみたい(と偉そうにいうほどの中身もないが)

例えば住宅ローンの金利が上がれば、不動産市場が冷え込む。

不動産業界はGDPの5%前後とされているので、この業界が低迷するのはヤバいと言えばヤバいのだが、その分、不動産価格は下落するだろう。

昨今のバブル状態ではマイホームに手が出なかった人たちにも手が届くようになるかもしれない。

しかも、金利の上昇局面で買うわけだから、ローン返済の計画も慎重になる。

ここ数年、FP相談などで「どう考えても年収に対してローン負担が大きすぎる」というような方が結構いたが、これなどは低金利の弊害。要は無理をし過ぎているわけだ。

そのような方は減り、硬い資金計画で割安になった物件を買えるチャンスが来る。

次に金利上昇で潰れる会社だが、まあ、これは仕方がない。

マイナス金利などという、生きてるのか死んでるのか分からないような「超低血圧」でしか生命を維持出来ないというのがそもそもおかしい。

しかも、そういう会社は中身を見てみると「既に債務超過」になっているようなゾンビ企業も多く、であるなら早めに退場した方が良いだろう。

最後の日銀の利払い増大だが、うーん、これは実際には意外と怖いことなのだが、庶民には関係がないので、ここでは取り上げない。

日銀の問題であって、我々の問題ではない。そう言いきろう。

昔、ある大手企業で財務部長を務めた方から教えて頂いたが(ここからはその方の話を丸パクリ)、要は金利というのは

「挑戦者と勝者が負担するべきもの」

という考え方だそうだ。

金を借りて事業を興す挑戦者が支払う金利

家を買う成功者が支払う金利

金を借りて、それを倍々に増やしたり、自分の夢をかなえたり、そんな世の中の「勝ち組」が金利を負担しているのである。

そして、その金利は銀行預金であったり、安全な国債の利回りなどに消費されていき、勝ち組に入れない人たちをも潤していく。

だから昭和の頃は銀行預金の金利が4%とか5%もあったのだ。

「金利はね、多少高い方が庶民にはプラスだよ。金利が低くて得をするのは金持ちだけだから」

もう10年近く前にお聞きした話だが、実際、黒田総裁の「異次元緩和」でも、金持ちがもっと金持ちになっただけで、庶民の生活は変わらなかった。

ある意味では芯を突いているのだろう。

とは言え、もう長い事マイナス金利が続いており、我々はそれに慣れきってしまっている。

実際には金利が上がることで「痛み」を実感する人も出てくるだろう。

さて、どうなるか?

私自身は意外とワクワクしている。

弊社は保険と不動産だが、保険の方は金利が上がれば国債の利回りも上がるので、今よりは良い商品が出てくるし、不動産の方も値段が下がれば絶好の買い場になる。

ということで、どっちに転んでも良いことしかない。

結局お前の話かよ!!

そう言われそうだが、胸を張ってこう答えたい。

ええ、そうですが、何か?

結局のところ国民全員、全業種が納得する金融政策など存在しないのだから、利上げなど自分の都合の良いように解釈しておくに限る。

本日のコラムでした。

 

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12月 23rd, 2022 by