謝辞 2022年はどうなるか?なんて分からない


2021年も残すところわずかとなりました。

今、私は会津若松で、猪苗代湖を眺めながらこの原稿を書いております。

気分は文豪です。

さて、今年は皆様にとってどんな一年だったでしょうか?

弊社も7年目を迎えましたが、以前の「保険一本足」から、最近ではFP的(ファイナンシャル・プランナー)なものや、不動産の割合が増えてきております。

ある時には保険のご提案、ある時にはFPとして資産家の相続の相談にのり、そしてある時には投資用不動産の現地を下見。

時間が空けば駄文をつづる日々。

正直、自分でも「何をやっているのかよく分からない」時がありますが、元々が飽きっぽい私としては、やることが雑多に変わる方が性に合っているようです。

さて、そんな調子で2021年も過ぎて行きましたが、この1年間で痛感したことがあります。

それが、

お金の価値が落ちてきている

ということです。

特に不動産関連の仕事を通じ、肌感覚として強く感じました。

今年は、不動産の仕事が多かったのですが、率直に言って不動産の価格はかなり高騰しています。

場所にもよりますが、コロナ前に比べ、2,3割上がっている印象です。

これをバブルと捉える向きもありますし、私自身もそれには賛成するのですが、それでもその価格で「売れる」から、その価格なわけで、その理由の一つに富裕層の動向があります。

実は、昨年(2020年)、コロナが本格化した春頃には不動産価格は一度落ちていました。

私のところにも、知り合いの不動産会社から、元々の販売価格から1割、2割下げたような物件の情報が入ってきて「何とか買い手を探してくれないか?」という相談が結構あったのです。

しかし、下落はそこで止まり、その後は上昇。

後から聞いた話では、キャッシュを持っている富裕層が、1,2割下がった段階ですぐに物件を抑えていたそうです。

それが下げ止まり要因となりましたが、その後も購買意欲は衰えず、それらが今の高値相場に繋がっています。

そして「何故そんな高値でも買うのか?」と聞くと、9割以上の人がこう答えるそうです。

「不動産か株か金か、何でも良いので資産の形を変えたい」

つまり資産をキャッシュで持っていたくないということなのです。

これらの考えは理論的には明快で、要はインフレ対策です。

政府がお金を刷りすぎれば、お金の総量は増え、それは「価値が薄まる」ということを指し、その先にはインフレがあります。

昨今、政府がお金を「ばら撒いている」ような状態を見れば、富裕層ほどインフレを懸念するのでしょう。

それらが「何か物にしておきたい」という欲求に繋がるのだと思います。

実際、既にウッドショック、ミートショック、原油の高騰という現象で、一部の商品で「インフレ」が発生しています。

そして原油が上がれば、あるとあらゆる物が上がります。

インフレは「わりと目の前にあるリスク」と言えるのではないでしょうか?

その他にも、暗号資産、NFTなどの相談も増えましたが、投資先は多岐に渡り、コロナをきっかけとして各国政府が大幅な財政出動をした影響で、「お金の洪水」が世界を覆いつくしているような感があります。

このような中、2022年はどんな年になるでしょうか?

それについて、先日、面白い番組を見ました。

NHKの特集だったと思うのですが、過去にノーべル経済学賞をとった経済学者5,6人が集まり、1時間ほど「コロナ後の世界(主に経済面で)」を予想するという内容。

そこで、学者たちの導いた結論は・・・

何が起こるか分からない

というものでした。

各国がここまで巨額の「ばら撒き」をしたことは、過去の歴史にも類がなく、世界最高峰の頭脳が集まり、様々なモデルで計算してみても、どのようなことが起こるかは予測出来ないそうです。

ただし、

「『何も起こらない』ことだけは絶対ない。そして、起こった『何か』は決して良いことではない」

ということには参加者全てが同意。

劇薬には副作用がある、という当たり前のことを言っただけの1時間でした。

これだけの異常状態の前では、ノーベル経済学の学者ですら、胡散臭い占い師のようなことしか言えないことに多少の可笑しさを覚えましたが、番組を見た感想としては、2022年はあまり良い年にはならなそうだな、と感じました。

コロナ後の後始末に追われる1年になるのかもしれません。

いやはや、年末のご挨拶としてはちょっと悲観的でした。ちょっと話を変えましょう。

それでも明るい兆しはあります。

まずコロナは終わりかけていますし、もし経済的な混乱があったとしても、所詮は金の話。

鬱陶しいマスクが取れる、というだけで、その心理効果は計り知れないでしょうし、少々のインフレも、今の日本にとっては良いことだとも言えます。

まあ、お偉い先生ですら「分からない」ということを私レベルが考えても仕方がないですから、明るく生きていくだけです。

2022年も何卒宜しくお願い申し上げます。

 

株式会社あおばコンサルティング
代表取締役 加藤 圭祐

 

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12月 30th, 2021 by