そりゃ日本滅びるわ。20代男性デートゼロ4割の衝撃


先日、内閣府の男女共同参画局による「男女共同参画白書」の令和4年版が発表された。

その中の統計において、

20代 男性のおよそ7割、女性の5割が配偶者・恋人なし

20代男性の4割が一度もデートの経験がない

ということに注目が集まり、ネットニュースでも随分報じられていた。

にわかに興味をもち、その白書(リンク)なるものを読んでみたが、これが、なかなかおもしろい。

100ページを超える大作なのだが、仕事そっちのけで全て読破してしまった。

ただ、全体を見渡して思ったことは

別に今に始まった話ではない

ということ。

例えば、センセーショナルに報じられている「20代男性の4割がデート経験なし」という統計に関しても、確かに20代男性の40%弱が

「今までデートした人数ゼロ」

と回答しているが、30代男性でもゼロが30%超、デート1回が10%弱、40代男性でもゼロが25%、1回が10%弱となっていた。

30代、40代になり「いつまでも一人でいるな!!」というような誰かのお節介で出会いの場をセッティングされ、1回でもデートすればゼロ枠からは卒業出来る。

そんな10年、20年越しの卒業生が「1回」の10%弱だと仮定すれば、今の30代、40代が20代だった10年、20年前でも「デート経験なし」は4割程度いたのではないか?

そうも推測出来る。

また「ほー、意外だな」と思うようなデータもあった。

それが初婚年齢。

昨今、晩婚化が進んでいると言われているが、データを見る限りそうでもないようだ。

初婚年齢は「平均」にすると女性29.4歳、男性31歳なのだが、最頻値は女性26歳、男性27歳。

つまり、初婚が30代後半、40代という方もいるので、それらが平均を押し上げてはいるものの、結婚している年齢で最も多い(最頻)のは女性26歳、男性27歳ということ。

出典元:令和4年 男女共同参画白書

実際、平均年齢時点では7割が既に結婚していて、残りの3割の「晩婚」が平均を上げているとのことだった。

また、「これまでの恋人の人数」という統計も面白い。

出典元:令和4年 男女共同参画白書

既婚者対象では「1人」、「2人」、「3人」というところがボリュームゾーンで、男女どちらの年齢層でもその合計で50%を超える。

つまり、結婚している人の半数は「付き合った3人以内で伴侶を決める」ということ。

このあたりの決断力(それが間違っていたとしても)が結婚につながっているのだろう。

対して、独身者の場合「0人」以外のボリュームゾーンがなく、数字もバラけている。

また、独身女性40~54歳では「答えたくない・覚えていない」が31.1%と全体の1/3を占め、もうほとんど統計データの意味を成していない。

「なんてデリカシーのないことを聞くのかしら!!」

そんなところだろう。

これらのことから「平均像」が見えてくる。

まず、いつの時代にも男性3,4割、女性2,3割の恋愛弱者がいる。

そして、恋愛強者は男女ともに「3人程度と付き合って」その中から良い相手を見つけ、20代後半には結婚してしまう。

つまり、20代のうちに「良い物件」はほとんど売れてしまい、30代、40代になればなるほど厳しくなる。

ほとんどの人が肌感覚で「まあ、そうだよね」と思っていることを、国が大々的な調査で裏付けてくれた格好だ。

なお、本統計。

こんな国民の恋愛事情を覗き見するような出歯亀調査だけでなく、母子家庭の貧困や、就労、介護、家事の男女間の分担など「骨太」な調査もちゃんとしている。

また、要所要所に

・離婚率について

昨今の離婚率が昭和の頃より「上がった」と言うが、実は明治期にはもっと高かった(むしろ戦後の高度成長期が異常に低い)

・夫婦別姓について

平民が名を名乗ったが明治3年。その時は太政官指令で夫婦別姓(妻は実家の名字のまま)が「公式ルール」だったが、それが明治31年(1898年)の民法成立で夫婦同姓に改められ、その歴史はわずか120年程度でしかない

というような多様性を促すようなプチ情報が散りばめられており、このあたり流石は「男女共同参画局」作成の資料と言える。

だが・・・

やはり資料を読めば読むほど暗くはなる。

男女間の給与格差や待遇などから見ても男女平等は程遠いし、結婚はもはや一部の「イケてる男女」だけのものになりつつある現実。

それが統計というデータで見えてしまう怖さ。

子供が減って、更に恋愛、結婚のハードルが高いんじゃ、そりゃ日本滅びるよねぇ・・・

「ジローラモを招いて学校で恋愛の授業しろよ!!」

おじさんにはそんなアホな解決策しか思い浮かばない。

本日のコラムでした。

 

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6月 15th, 2022 by