外で飲む酒ってやっぱり良いよね・・・10年ぶりにナンパをした話


コロナが収束したのか、していないのか良く分からないが、テレビは相変わらず感染者数の減った、増えたの報道にしがみついているように見える。

しかし、庶民としては「もう良いんじゃね?」という感じで、街は人でごった返す。

と言うことで、私も飲み会に参加する機会が増えた。

先日も30代と40代のお客様同士の「お見合い」的な飲み会を開催したり、旧知のドクター二人と焼き鳥を食べ、コロナでだらしなく太った私の体に強烈なお説教を頂戴したり。

ふと思う。

やっぱり

外で飲む酒は旨いな!!

と。

昨今の風潮では、飲み会を嫌う向きも多いと聞くが、やはり私世代にとって飲み会は社交の場と言うか、酔いが回った中でお互いに褒め合い、お互いに名言を吐きつつ、そしてお互いを理解しあったような気がしても、その実、何も共有していない。

無駄な会話、無駄な酒、無駄なカロリー、無駄な時間。

しかし、楽しい。

酒は社会の潤滑油。

まさにその通りだろう。

酒と仲間がもたらす高揚感は、時に大胆な行動を導く。

先日、古い友人と三軒茶屋で飲んでいたのだが、その日は週末。

酒場が連なる通りは若者で満ち溢れていた。

1軒目が終わり、2軒目はどうするか?と友人と歩いていると、レストランのテラス席でお酒を飲んでいた美しい2人の女性が目に入る。

一緒にいた友人が「おっ!!あの子可愛い」と言う。

彼は独身。

そのため「声かけてくれば?」と提案したのだが「加藤さんの底力見せて下さいよぉ~」とこちらにボールを投げ返してくるではないか。

フム、ナンパか。

飛び込み営業も厭わない私は、昔からナンパが苦手ではない。

なお、意味のない格好つけを言えば、自分のためというより、仲間のためにやることが多く、今回と同じような場面で、頼まれれば気軽に声をかけてきた。

もちろん断られることの方が多いが、

こんな恥ずかしいことを自分のためにいとも簡単にやってくれる

という事実は、意外と相手を感動させる。

要はある種の度胸試しのようなものなのだが、とは言ってもこんなことをしていたのは30代中盤までで、今は46歳である。

10年ぶり。そして、アラフィフも近いおっさんが若い子に声をかける変質的行為は、酒が入っていても異常に緊張した。

そこでイメージしたのは、高田純次のじゅん散歩。

平日、午前中にやっている高田純次の街ブラ番組だが、その中で純次は何とも軽く若い人に声をかける。

あれだ、あれで行こう。

そう決めて、テラス席に美女2人に近づく。

こんな時、純次ならこう言う。

「あら、随分とお綺麗なお姉さん方が、男も連れずに何やってるの?」

が、極度の緊張のためだろう。

第一声の「あ」の段階からどもってしまい、何と口をついた言葉は

「あのー、このお店美味しいですか?」

何だそれ!!何のアンケートだよ!!

しかし、走り出してしまったものは、もうどうしようもない。

「えっ、あっ、はい。美味しいですよ」

「でもお店満席ですね」

「そうみたいですね」

「お姉さんたち、お2人ですか?勘定持つので、このテラス席でご一緒させて貰えませんか?」

我ながら最悪の流れだ。

噛みながら声をかけ、最後は金。

しかし、そこに友人が良いタイミングで後方からサポートに入ってきてくれて(彼の方が私より見た目は良い)、結局

「これから友達が合流するので、それまでだったら」

ということで同席させてもらうことになった。

聞けば30歳の医療従事者とのことで、ほんの1時間だが、とても楽しい一時を過ごさせてもらった。

ちなみに勘定は友人に持ってもらった。

1万円程度だったが「paypayで!!」妙に張り切って支払っていた。

話を聞けば、その後、その子と友人は頻繁に連絡を取り合っているようで、ゴルフや食事に行く仲になったらしく、何よりである。

 

いやー、しかし、やっぱり現役を引退して10年も経つとダメだ。

身体も口も頭も動かない。

反面、最後は結果を出したこと、そして噛みながらも、突っ込んでいけるクソ度胸は今も健在であったこと、そのことについては、自分で自分を褒めてあげたい。

秘かな満足感を抱きながら、三茶の街を後にした。

やっぱり酒は良い。

ZoomやSNSにはないリアルな感情と出会い。

それが人が集まる盛り場にはある。

ちなみに翌日、妻にこのことを話した。

あくまで友人のために一肌脱いだだけで、私自身に何のやましいところはない。

だからこそ「俺も捨てたもんじゃない」という武勇伝を披露したかったのだ。

一部始終を黙って聞いていた妻は一言こう言った。

それはお手柄でしたなー

村の駐在さんが、脱走した犬を捕まえた村人を褒めるような口調だった・・・

本日のコラムでした。

 

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6月 28th, 2022 by