我が子を情弱にするな!!パソコン教育に思うこと・・・


先日、20時過ぎに家に帰ると、妻と娘が口論をしている。

「知らないわよ!!ちゃんと上書き保存しなかったのが悪いんでしょ!!」

「ちゃんとしたんだよ!!したんだけど消えてるんだよ!!」

聞けば、小学校の課題で、ある都立庭園についてのレポートをパワーポイントで作成していたのだが、そのデータが飛んでしまったとのこと。

数日かけて作った大作だったらしく、それが無となった娘は泣きながら地団駄を踏んでいるし、その八つ当たりをうけて、妻もヒステリーを起こす。

2人してパソコンの画面に向かいながら、ああでもない、こうでもないと色々やっているが、何をどうしてもデータが復元できないようで、泣くし、怒鳴るしで、うるさくてかなわない。

情弱

情報弱者を指す隠語だが、広義にはITオンチも含まれる。

うちの妻はとにかくITに弱い。

経理財務の仕事をしているので、パソコン自体は使えるが「経理系のアプリケーション」の操作に熟練しているだけで、パソコンそのものに対してはほとんど知識がない。

娘も同じ。

今どきの小学校は1人1台パソコンが配られ、授業もそれを使ってやる。

Word、Excel、PowerPointなど、一通りインストールされていて、データも全てマイクロソフトのOneDriveで管理。

環境としてなかなか良い。

ちなみに余談ながら、うちの子供の学校で採用されているパソコンは「ノート型」でありながら、ディスプレイを取り外すとタブレットにもなるタイプ。

ただし、デザイン性無視の変な形をしており、やたらと重く、更には過剰なセキュリティ対策で動作も鈍い。

某国内メーカーが作っているのだが「責任逃れのリスクヘッジ」と「利権の匂い」がプンプンするそれは、IT企業で20代を過ごした私からすれば

大人たちがこねくり回したウンコで作った土鍋

のような醜悪なPCだ。

本来、パソコンは無限の未知の世界との扉であるべきで、純粋な子供たちに「これがパソコンだ」などとは思って欲しくないのだが、学校指定なので仕方がない。

そして、そのウンコ土鍋を前に涙を流す情弱チンパンジーと、その横で怒り狂うメスゴリラ。

まあ、私から見ればそんな構図だ。

「履歴を追えよ」

ウッホウッホ言ってるゴリラたちに、ビール片手に神の言葉をかけてやった。

リ・レ・キ?

チンパンジーとゴリラがこちらを見る。

どうやら人の言葉を理解するようだ。

パワポにバージョン履歴があるだろ?それでバックデートを見てみろ

二匹がお互い顔を見合わせている。

流石に難しすぎたか。

もういい。貸せ。

ウンコ土鍋には触りたくもないが、仕方がないのでパワポを操作し、履歴一覧から昨日の晩のデータを見つけ、復旧してやった。

「ウッキーッ!!!!」

「ウッホ!!ウッホ!!」

喜びを分かち合う2匹。

主よ、ゴリラたちにIT知識を分け与えたまえ。

アーメン、ラーメン、冷ソーメンである。

まあ、家族を小馬鹿にするのはこのくらいにしておくが、パソコン教育の話。

今回の件、率直に言って「学校は何を教えてるのかな?」とも思った。

もちろんパワポのバックデートという「個別」の話をしているわけではなく、アプリケーションの使い方は「慣れ」なので、そもそも人から教わるようなものではない。

むしろ、教えるべきは「分からないこと」を調べる方法であり、googleでどういうワードで検索すれば、自分が求めている答えに辿り着けるか?という点だろう。

今話題の「問題解決力」だ。

この点、早くからパソコンを与えていても、肝心なところが抜けている。

日本人は中学から英語を習うのに、喋れる人はほとんどいないが、何だかそれに似ているような気がした。

膨大な単語と例文ばかりを覚えさせるのに、最も重要な「喋る機会」を与えないのと同じように、とおりいっぺんのアプリケーションの操作方法や例文的なプログラムを教えても、自力での学習・解決方法を知らなければ意味がない。

と言うわけで、これ以降、父はパソコンに関して何か質問されても、何も答えていない。(一度見事に解決してやったので、やたらと聞かれるので鬱陶しい)

googleにどんな聞き方をすれば回答に辿り着けるか?

そしてその回答を見て、いかに自分の状況を改善するか?

それを横目で見ながら、要所要所で多少アドバイスをしているのだが、そこはまだ子供。

googleの検索画面に

「パワーポイントが難しくて困っています」

などと聞いていて、笑ってしまう。

ちなみに、この文章で検索をするとパワポの自動プレゼンの総再生時間に関する問題という難解なQ&A記事がトップに出てくる。

これからの子供はgoogleという全知全能の神への「質問力」こそが、情報弱者にならない最短距離なのかもしれない。

こんな何でも答えてくれる先生はいない。

そういう意味では、この子たちは凄い時代を生きているなぁ、などとありきたりなことを思ってしまう本日のコラムでした。

 

 

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12月 11th, 2022 by