どんな心の痛みも懲役2年。悲しみの半減期


ご主人が亡くなっても奥様はケロッとしているが、奥様を亡くされるとご主人は一気に老ける。

よく巷でこんなことが言われるが、まあ、これは本当である。

仕事がら人に死の場面に立ち会うことは多いが、やはり女性は逞しいと言うか、男性は弱いと言うか・・・

但し、お子さんが亡くなった場合には、これはもうお母さんのショックは相当なもので、それに比べるとお父さんの方がやや持ち直すのは早い。

まるでグーチョキパーのような関係で、家族というのはそれぞれが支え合って生きているのだと感じる。

無論、人による。あくまで私の経験則における「傾向」だ。

悲しみの半減期

大事な人を亡くした方にはいつもこのお話をしている。

妻を、夫を、我が子を失った時に襲われる大きな喪失感。

いっそ自分も死んでしまいたいと思うほどの悲しみと絶望。

しかし、どんな痛みも1年で半分になり、さらにもう1年で半分になる。

1/4になれば、心はまだ耐えられる。

2年です。2年でなんとか乗り越えられます。

もちろんこれも経験則でしかない。

2年を超えてもなお悲しみにくれ、精神を病むような方もいらっしゃる。

だが、実際私が接してきた方々の99.9%は、2年経てば何とか傷は癒え、悲しい出来事を過去のこととしてとらえるようになった。

また、人間生きていれば2年間で様々なことが起こる。

悪いことの後には良いこともある。

これも不思議な話だが、必ずそういうことがある。
(悲しみに直後にこれを言ってもピンと来ないので、話はしないが)

「ああ、生きていて良かったな」

そう思えれば、人生は再生されていく。

懲役に行ったと思って2年間耐えて下さい。出来るだけ悲しいことを考えない。もちろん無理です。それでも出来るだけ考えないように訓練する。熊が巣穴で自分の傷を舐めて治すようにジッとしていてください。

それがたとえ遠いゴールであっても、目標があった方が多少の救いにはなるのでは?そう思っていつもこの話をする。

だが傷がなくなることはない。

1年で1/2、2年で1/4、3年で1/8、4年で1/16になったとしてもゼロにはならないからだ。

時折思い出して、激しい悲しみや、時に怒りを感じることもある。

正直なところ20代、30代であれば傷が塞がり「傷跡が残った」程度には回復するが、40代、50代ともなると「かさぶた」くらいまでかな、という気もする。

日常生活は問題なくおくれるが、いつまで経っても「押せば痛い」

そんな感じか・・・・

2年経ってもかさぶたにしかならない。

肉体に比べ、我々の精神はいかに弱いものなのか。

そんなことを思う本日のコラムでした。

 

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7月 30th, 2023 by